安楽寺(あんらくじ)(埼玉県熊谷市西別府2044))
阿弥陀の種子を表面に、金剛界大日の種子を背面に刻んだ板碑で、表面下方に鎌倉時代中期 寛元二年(1244)の銘がある。
安楽寺 阿弥陀種子板碑(県指定史跡、鎌倉時代中期 寛元二年 1244年、緑泥片岩、高さ 130Cm)
頂部山形、身部は一重の輪郭を巻き、内を薄く彫りくぼめる。身部中央の蓮華座上に月輪を陽刻し、内に阿弥陀如来の種子を薬研彫する |
板碑 頭部
頭部山形、下に二条線、塔身は一重の輪郭内を薄く彫りくぼめる
板碑上方の種子
蓮華座上に月輪を陽刻し、阿弥陀如来の種子「キリーク」を格調高く薬研彫する
板碑下方の刻銘
左右に「寛元二年(1244)、大才、甲辰」「二月 日敬白」の紀年銘が入る
刻銘:「寛元二年(1244)」 | 板碑背面、上方に金剛界大日の種子「バン」を刻む |
阿弥陀の種子「キリーク」の格調の高さと比べ、紀年銘の文字はやや稚拙な感じがする。
板碑背面の種子
背面上方、月輪を彫りくぼめ金剛界大日如来の種子「バン」を陽刻する
別府氏墓 (県指定史跡)
石柵で囲まれた墓内には、五輪塔二基、板碑三基が祀られている
安楽寺(あんらくじ)九品仏堂
九品堂は九体の阿弥陀仏(九品仏)を安置する。別府氏墓は、九品堂に向かって右側にある。
*JR高崎線「籠原駅」下車、北方向に徒歩 約23分。
(撮影:平成23年10月30日)