宝幢寺(ほうどうじ)(埼玉県熊谷市押切134)
早期武蔵型板碑の特色を持ち、鎌倉時代中期 正嘉二年(1258)の紀年銘がある。熊谷市江南地区は、板碑発祥の地でもある。
宝幢寺阿弥陀一尊種子板碑(市指定文化財、鎌倉時代中期 正嘉二年 1258年、緑泥片岩、高さ 183Cm 下幅 51Cm)
板碑は、本堂の前方、植え込みの中に立つ。身部は、上方に大きく阿弥陀の種子「キリーク」を薬研彫し、下方に紀年銘と願文を刻む |
板碑 頭部
頭部は低い山形で頂部を欠く。下に二段の切込、身部は輪郭を巻かず古風を示す
身部上方、阿弥陀如来の種子「キリーク」を薬研彫する | 下方中央に正嘉二年(1258)の紀年銘、左右に願文を刻む |
身部下方中央に「正嘉第二暦(1258)戊午卯月」、左右に「右志者偏為逝去慈父幽霊滅罪」「生善成等正覚仍造立如件」の銘文を刻む
銘文は宋朝体風のかわった楷書体で刻まれ、亡き父親の霊魂の成仏を祈って、正嘉二年(1258)に造立された。
板碑 背面
背面は、滑らかで仕上げの手が入っている
宝幢寺(ほうどうじ)の小板碑
阿弥陀一尊種子板碑、蓮華座上月輪内に阿弥陀種子を刻む | 阿弥陀一尊種子断碑(高さ 44Cm 幅 27Cm) |
正嘉銘板碑の横に、阿弥陀種子の小板碑三基
中央の月輪を刻んだ板碑は、高さ 56Cm 幅24Cmで、種子の下に「永口三年・・・・、口口、禅口」の刻銘がある
宝幢寺(ほうどうじ)(天台宗)
*秩父鉄道「ひろせ野鳥の森駅」下車、熊谷大橋を渡り南方向へ徒歩 約33分。
(撮影:平成23年11月2日)