須賀広(すがひろ)阿弥陀三尊図像板碑

 江南文化財センター(埼玉県熊谷市千代329)

  日本最古の在銘板碑で、鎌倉時代前期 嘉禄三年(1227)の紀年銘がある。もと須賀広の大沼公園弁天島の小堂傍に立っていた。

須賀広阿弥陀三尊図像板碑(県指定文化財、鎌倉時代前期 嘉禄三年 1227年、緑泥片岩、高さ 147Cm 下幅 61Cm)

江南文化財センターのロビーに展示。身部は、上方に阿弥陀三尊を半肉彫りし、下方に嘉禄三年(1227)の紀年銘と偈(げ)を刻む

板碑 頭部

頭部は低い山形であったことが伺える。下に二段の切込が入り、身部は輪郭を巻かない

中尊の阿弥陀如来は、頭部を失い、高い蓮華座に坐す。その下 左右に、二重光背型を彫りくぼめ、内に観音・勢至の両菩薩を半肉彫りする

阿弥陀三尊 脇侍

向かって右に観音菩薩、左に合掌する勢至菩薩を半肉彫りする。両菩薩とも、通常の蓮華座に立っている。

板碑下部、中央に紀年銘、左右に四句の偈(げ)を刻む 刻銘:「嘉禄三年(1227)大才二十、丁亥口日、口月」

銘文は中央に「嘉禄三年(1227)大才二十、丁亥口日、口月」、左右に四句の偈(げ)「諸教所讃、多在弥陀」「故以西方、而為一准」を刻む。

鎌倉時代前期 嘉禄二年(1227)の紀年銘と摩訶止観補行に出る四句の偈を刻んでいる。。

四句の偈(げ)

「諸教所讃(しょぎょうしょさん)、多在弥陀(たざいみだ)」「故以西方(こいさいほう)、而為一准(にいいちじゅん)

[ 諸教(経)のたたえる所は、多く弥陀にあり、故に西方をもって、一准(一つの目安)となす ]

 江南々校(こうなんなんこう)阿弥陀三尊図像板碑                石仏と石塔-目次!

江南文化財センターのロビーに展示されている板碑三基

向かって左が日本第三位の紀年銘(寛喜二年 1230年)がある阿弥陀三尊図像板碑、中央が弘安九年(1286)銘の曼荼羅板碑

 板碑(いたび)

*江南文化財センターへは、JR熊谷駅前から国際十王バス小川町駅・県立循環器呼吸器病センター行き乗車、「大沼公園バス停」下車、北方向へ 約600m。開館:平日の午前9時~午後5時。

(撮影:平成23年11月2日)