智福寺(ちふくじ)二尊種子板碑

 智福寺(ちふくじ)(埼玉県入間郡毛呂山町西大久保148)

  阿弥陀と不動の種子を刻んだ大板碑で、頭部を欠損する。鎌倉時代中期 弘安三年(1280)の銘がある。

智福寺 二尊種子板碑(町指定文化財、鎌倉時代中期 弘安三年 1280年、緑泥片岩、高さ 260Cm 下幅 71Cm)

頭部を欠損する。身部上方、蓮華座上月輪内に阿弥陀の種子、その下に直接 不動明王の種子を薬研彫し、下方に願文・紀年銘等を刻む

板碑 上部

阿弥陀如来の種子「キリーク」を蓮華座上月輪内に大きく薬研彫する

二尊種子、主尊は、阿弥陀如来(「キリーク」) 身部下方、弘安三年(1280)の紀年銘と願文

不動明王の種子「カーンマーン」

阿弥陀種子の下、蓮華座・月輪なしに大きく刻まれている。

板碑は、江戸末期に廃寺となった近くの常楽寺境内にあったもので、一時所在が不明になっていたが、山林に埋められていることが判明し、

昭和四十三年(1968)に発掘された。その後、保存の為 智福寺境内に移された。毛呂山町では、最古の紀年銘を持つ。(現地説明板)・・・・・

身部下方の刻銘

両端に二行、「右志者為父母、幽霊證大菩提」、内に二行、「弘安三年(1280)、庚辰、口月日、沙弥願生 敬白」

亡き父母の冥福を祈って、弘安三年(1280)に沙弥願生が造立した。

 智福寺(ちふくじ)種子板碑 (断碑)                          石仏と石塔-目次!

智福寺 種子板碑群 (鎌倉時代 、緑泥片岩)

板碑は、交通量の多い道路脇に立っている。しかも、碑面が道路に向いている為、保存場所としては最悪の状態。

山林から発掘後、保存の為に智福寺に移されおり、二基は町の文化財にも指定されているので安全な場所へ移設してほしいと思う。

 板碑(いたび)

*東武越生線 川角駅入口バス停から坂戸市内循環バス 西コース(右回り)に乗車、「欠ノ上バス停」下車 西方向へ 徒歩 約3分。又は、東毛呂駅前から 「もろバスやぶさめ号」里コースに乗車、「歴史民俗資料館バス停」下車、南東方向へ徒歩 約17分。

(撮影:平成24年4月19日)