智福寺(ちふくじ)(埼玉県入間郡毛呂山町西大久保148)
阿弥陀種子「キリーク」の上に三弁宝珠を載せ荘厳する。鎌倉時代後期 嘉元三年(1305)の紀年銘がある。
智福寺 阿弥陀一尊種子板碑(鎌倉時代後期 嘉元三年 1305年、緑泥片岩、高さ 96Cm 下幅 33Cm)
小型ながら完存する。身部上方に三弁宝珠、下に阿弥陀の種子、身部下方に紀年銘と「観無量寿経」に出る偈(げ)を刻む |
板碑 頭部
頭部は低い山形、下に二段の切込、身部は輪郭を巻かない。
蓮華座上に阿弥陀如来の種子「キリーク」、種子は陽刻の三弁宝珠で荘厳する。鎌倉時代後期 嘉元三年(1305)の在銘板碑。 |
身部下方、「観無量寿経」に出る偈(げ)と紀年銘
中央に「嘉元三秊(1305)、乙巳、正月四日、敬白」左右に偈(げ)を刻む。
偈(げ):「光明遍照(こうみょうへんじょう)、十方世界(じっぽうせかい)、念仏衆生(ねんぶつしゅじょう)、摂取不捨(せっしゅふしゃ)」
[ 光明はあまねく十方世界を照らし、念仏の衆生をば摂取して捨てたまわず。]
主尊が阿弥陀如来で、観無量寿経に出る偈を刻んでいる。浄土信仰の板碑であることがわかる。
智福寺(ちふくじ)板碑群
阿弥陀種子板碑(南北朝時代、高さ 36Cm 幅 20Cm) | 阿弥陀一尊種子板碑(高さ 29Cm 幅 19Cm) |
大型板碑の向かって左手に立っている小型板碑群で、向かって左上の板碑は、頭部を欠損する。主尊の種子は阿弥陀如来で、蓮華座を刻まず月輪内に
「キリーク」を刻む。下に南北朝時代末期 「明徳二年(1391)十月日、信法、禅尼」の刻銘がある。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
智福寺 板碑(断碑)
小型の板碑で上部を欠いている。下方に二十数名の人名が刻まれている。
智福寺 種子板碑群 (鎌倉時代 、緑泥片岩)
阿弥陀一尊種子板碑(嘉元三年銘)は、三基並んだ板碑の内、向かって右端。
*東武越生線 川角駅入口バス停から坂戸市内循環バス 西コース(右回り)に乗車、「欠ノ上バス停」下車 西方向へ 徒歩 約3分。又は、東毛呂駅前から 「もろバスやぶさめ号」里コースに乗車、「歴史民俗資料館バス停」下車、南東方向へ徒歩 約17分。
(撮影:平成24年4月19日)