法台寺(ほうだいじ)(埼玉県新座市道場1-10-13)
法台寺は、時宗二祖 他阿(たあ)上人により開基された。鎌倉時代は、時宗の道場であったが、江戸時代に浄土宗に改宗、現在に至っている。
法台寺(ほうだいじ)阿弥陀三尊種子板碑(夫・沙弥道阿)
夫婦が生前に、死後の菩提を祈って造立した二基のうち、夫 沙弥道阿の板碑。鎌倉時代後期 元亨二年(1322)の紀年銘がある。
法台寺 阿弥陀三尊種子板碑 (県指定文化財、鎌倉時代後期 元亨二年 1322年、緑泥片岩、高さ 185Cm 下幅 39Cm)
板碑群、正面五基の左から二基目の板碑。身部は簡素な天蓋の下、阿弥陀三尊種子、梵文光明真言、願文、紀年銘を刻む |
種子は、三尊とも蓮華座上の月輪内に刻まれ、上に阿弥陀の種子「キリーク」、向かって右下に観音の種子「サ」、左下に勢至の種子「サク」を薬研彫する。
板碑 頂部
頭部山形、下に二段の切込。身部は一重線の輪郭を巻く
板碑 上方 天蓋(てんがい)
阿弥陀の種子「キリーク」の上に刻む。上部が波状に表現されている。
板碑 下方
中央に、「元亨二年(1322)壬戌十月 日」、その左右に光明真言を梵字で刻み、下端の左右に「沙弥道阿為逆修也」と四行で刻む
光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」「シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ」 「マ、ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ」「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」
法台寺(ほうだいじ)阿弥陀三尊種子板碑(妻・藤原氏女)
夫婦が生前に、死後の菩提を祈って造立した二基のうち、妻 藤原氏女の板碑。夫 沙弥道阿と同じ、元亨二年(1322)の紀年銘がある。
法台寺 阿弥陀三尊種子板碑 (県指定文化財、鎌倉時代後期 元亨二年 1322年、緑泥片岩、高さ 181Cm 下幅 39Cm)
夫 沙弥道阿と双式になる板碑。道阿の板碑と同形式で、身部に天蓋、阿弥陀三尊種子、梵文光明真言、願文、紀年銘を刻む |
種子は、三尊とも蓮華座上の月輪内に刻まれ、上に阿弥陀の種子「キリーク」、向かって右下に観音の種子「サ」、左下に勢至の種子「サク」を薬研彫する。
板碑 頂部
頭部山形、下に二段の切込。身部は一重線の輪郭を巻き、輪郭内上部に簡素な天蓋を刻む
板碑 下方
中央に、「元亨二年(1322)壬戌十月 日」、その左右に光明真言を梵字で刻み、下端に四行で「藤原氏女為逆修也」と刻む
光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」「シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ」 「マ、ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ」「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」
六字名号板碑の左右に立つ阿弥陀三尊種子板碑
阿弥陀三尊種子板碑は二基一組になっており、向かって右が妻「藤原氏女」、左が夫「沙弥道阿」の銘が入る
法台寺(ほうだいじ) 板碑群、 正面の五基
三基が「南無阿弥陀仏」の六字名号板碑で、二基が阿弥陀三尊種子板碑
法台寺(ほうだいじ) 板碑収容庫
正面五基、左右の側面に各三基、計十基の主だった板碑が収容されている
*西武池袋線 ひばりヶ丘駅北口から西武バス朝霞台行きに乗車、「片山小学校バス停」下車、北方向へ徒歩 約3分。
(撮影:平成23年11月4日)