大徳家(だいとくけ)阿弥陀種子板碑

 大徳家(だいとくけ)阿弥陀種子板碑(埼玉県坂戸市森戸)

  大徳家の庭に安置されている阿弥陀種子を主尊とす板碑で、南北朝時代前期 観応二年(1351)の紀年銘がある。

大徳家阿弥陀種子板碑(南北朝時代前期 観応二年 1351年、緑泥片岩、高さ 255Cm 下幅 66Cm)

頭部山形、下に二段の切込、身部は阿弥陀如来の種子「キリーク」を蓮華座上に薬研彫し、下に光明真言、願文、紀年銘 等を刻む。

板碑 頭部

頭部山形、下に二段の切込、額部は薄く突出する。身部は、輪郭を刻まない。

身部、阿弥陀如来の種子「キリーク」を蓮華座上に薬研彫する 身部下方、上方に光明真言、下方中央に紀年銘・造立者名。

蓮華座の下、光明真言を四行にわたり梵字で刻む。その下中央に「観應二季(1351)辛卯、三月三日、沙弥道妙、沙弥尼心妙、敬白」、左右に

「右志者大檀那当住権律師月證逆修」、「願予普及法界自他同證無上菩提也」の刻銘がある。

光 明 真 言

光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」「シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ」、「マ、ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ」「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

板碑下方、刻銘全文 昔は、隣の森戸神社と同敷地であったという。(神宮寺 ?)

刻銘 中央:「観應二季(1351)辛卯、三月三日、沙弥道妙、沙弥尼心妙、敬白」

左右の刻銘:「右志者大檀那當住権律師月證逆修」、「願予普及法界自他同證無上菩提也」

権律師(ごんのりっし)月証の逆修(ぎゃくしゅ)供養の為、観応二年(1351)三月三日に沙弥道妙と沙弥尼心妙により造立された。

西光寺(さいこうじ)墓地 阿弥陀三尊種子板碑

 西光寺墓地(さいこうじぼち)阿弥陀三尊種子板碑(埼玉県坂戸市森戸514)

  西光寺から少し離れた墓地にある板碑で、二分断されている。鎌倉時代後期 永仁二年(1294)の紀年銘がある。

西光寺墓地 阿弥陀種子板碑(鎌倉時代後期 永仁二年 1294年、緑泥片岩、高さ 160Cm 下幅 53Cm)

身部は、阿弥陀如来の種子「キリーク」を大きく刻む。分断された下部上方に蓮華座が二つ残っており、阿弥陀三尊であったと思われる。

頭部山形、二段の切込、身部は一重線の輪郭を巻く。 身部下方の刻銘

身部左右の刻銘:「右志者為其父母生」、「霊往生極楽菩提也」   中央の刻銘:「永仁二年(1294)甲午、中秋第、七番白、口・・口」

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西光寺(さいこうじ) (曹洞宗)

 板碑(いたび)

*東武越生線 「西大家駅」下車、北東方向へ徒歩 約2分。西光寺墓地へは、北東方向へ徒歩 約8分。

(撮影:平成24年11月9日)