宗福寺(そうふくじ)六字名号板碑

 宗福寺(そうふくじ)(埼玉県坂戸市石井1905)

  当寺開山とされる教覚の三回忌に造立された板碑で、南北朝時代 文和五年(1356)の紀年銘がある。

宗福寺 六字名号板碑 (市指定文化財、南北朝時代 文和五年 1356年、緑泥片岩、下部を含む高さ 280Cm 下幅 69Cm)

板碑は二分断し、下部は後ろに立っている。身部は、中央に「南無阿弥陀佛」の六字名号を大きく、両側に造立趣旨と紀年銘を刻んでいる。

刻銘は摩耗し、ほとんど肉眼では読めないが、六字名号の向かって右側「相当奉佛弟子教覚三回忌辰奉造立供・・・」

左に「文和五年(1356)丙申七月二十八日 孝子敬白」と刻む。 宗福寺を開山した「教覚」の三回忌にあたり造立された。

板碑 頂部

頭部山形、下に二段の切込、額部は薄く突出する。身部は二重線の輪郭を巻く。

刻銘:南無阿弥陀 刻銘:「文和五年(1356)

板碑 下部 (すぐ後に立つ)

二重線の枠内頂部に蓮華座があり、「南無阿弥陀仏」の六字名号は蓮華座上に刻まれていた。

板碑は、やや幅広で、格調が高く堂々としている。 板碑 背面

鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて、地元豪族の庇護を受けた遊行聖たちが、この地に道場を設けて多くの民衆に念仏を広めたという。

 宗福寺(そうふくじ)板碑群

宗福寺 板碑群

大型板碑の右手、奥に六字名号や阿弥陀種子を主尊とする小型板碑が並んで置かれている。

 宗福寺(そうふくじ)六字名号板碑(観応二年銘)(埼玉県坂戸市石井1905)

宗福寺 六字名号板碑 (南北朝時代前期 観応二年 1351年、緑泥片岩、高さ 68Cm 下幅 27Cm)

頭部山形、下に二段の切込、身部は一重線の輪郭を巻く。身部中央に「南無阿弥陀仏」の六字名号を蓮華座上に刻み、左右に聖名と紀年銘を刻む。

板碑、刻銘

六字名号の向かって右側に「観応二年(1351)、辛卯、十月」、「十八日教聖禅門」と刻む。

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宗福寺(そうふくじ)本堂 (曹洞宗)

 板碑(いたび)

*東武東上線 若葉駅東口から東武バス八幡団地行きに乗車、「勝呂小学校入口バス停」下車、西方向へ徒歩 約350m。又は、東武東上線「北坂戸駅」下車、東方向へ徒歩 約1.9Km。

(撮影:平成24年11月10日)