徳林寺墓地(とくりんじぼち)板碑群(2)

 徳林寺(とくりんじ)(埼玉県狭山市入間川 2-3-11)

徳林寺墓地 元応二年銘 阿弥陀種子板碑

  永仁五年(1297)銘板碑から右に二基目板碑で、法華経 譬喩品に出る偈(げ)と鎌倉時代後期 元応二年(1320)の紀年銘を刻んでいる。

徳林寺墓地 阿弥陀一尊種子板碑(鎌倉時代後期 元応二年 1320年、緑泥片岩、高さ 79Cm 下幅 29Cm)

頭部山形、下に二段の切込、身部は一重線の輪郭を巻き、阿弥陀の種子「キリーク」を蓮華座上に、下方中央に紀年銘、左右に法華経 譬喩品に出る偈(げ)を刻む。

板碑 刻銘

板碑下方、左右に各二行「今此三界、皆是我有、其中衆生、悉是吾子」、中央に「元應二年(1320)五月廿日」と刻む。

法華経 譬喩品に出る偈(げ):「今此三界(こんしさんがい)皆是我有(かいぜがう)其中衆生(ごちゅうしゅじょう)悉是吾子(しつぜごし)

[ 今、この三界(欲界・色界・無色界)はみなこれ我が有するところ、その中の衆生はことごとく我が子なり ]

徳林寺墓地 貞治三年銘 阿弥陀種子板碑

徳林寺墓地 阿弥陀一尊種子板碑(南北朝時代中期 貞治三年 1364年、緑泥片岩、高さ 44Cm 下幅 24Cm)

頭部山形、下に二段の切込、身部は阿弥陀の種子「キリーク」を蓮華座上月輪内に、下方中央に紀年銘、左右に各二行 光明真言を刻む。

板碑下方の刻銘

中央に「貞治三年(1364)正・・・」、左右に各二行 梵字で「光明真言」を刻む。

光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」「シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ」 「マ、ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ」「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

徳林寺墓地、向って左側の板碑群

徳林寺墓地 板碑群 全景

 慈眼寺(じげんじ)阿弥陀三尊種子板碑                        石仏と石塔-目次!

徳林寺 本堂 (曹洞宗、武蔵野三十三観音 第十七番札所)

本尊は、釈迦如来。札所本尊は、新田義貞の守護仏とされる聖観世音菩薩坐像。

 板碑(いたび)

*西武新宿線 「狭山市駅」下車、西口から北西方向へ徒歩 約7分。

(撮影:平成23年11月8日)