妙善院(みょうぜんいん)五輪塔

 妙善院(みょうぜんいん)(埼玉県所沢市三ケ島 3-1410)

   良く整った美しい五輪塔で、各輪の四面に五輪塔四門の梵字を月輪内に刻んでいる。鎌倉時代後期 嘉暦四年(1329)の在銘塔。

妙善院 五輪塔 (県指定文化財、鎌倉時代後期 嘉暦四年 1329年、安山岩、高さ 117Cm)

風・空輪、一石で作られる。空輪は宝珠の形。(梵字:キャー・カー)
五輪塔は、門内左手、境内墓地の奥まった所に安置されている。 水輪上下を押しつぶした様な球形。(梵字:バー)

火 輪 (梵字:ラク)

軒口厚く、先端は垂直に切る。軒は、両端で反っている。

五輪塔は、力強さ(鎌倉後期)から繊細な美しさ(南北朝)への移行期にあたる作品で、各輪 四面に五輪塔 四門の梵字を月輪内に刻む。

五輪塔 四門の梵字、上(空輪)から下(地輪)へ

キャ・カ・ラ・バ・ア   (東方、発心門)               キャー・カー・ラー・バー・アー   (南方、修行門)

ケン・カン・ラン・バン・アン   (西方、菩提門)         キャク・カク・ラク・バク・アク    (北方、涅槃門)

地  輪 (梵字:アク)

地輪は方形で、梵字「アク」の両側に刻銘がある。

刻銘:「嘉暦四年(1329)三月二日」、「良存順寂六十二才」

刻銘:「良存順寂六十二才」 刻銘:「嘉暦四年(1329)三月二日」

僧 良存が六十二歳で亡くなった時、墓塔としてこの五輪塔が造立された。

妙善院(みょうぜんいん) 本堂

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妙善院(みょうぜんいん)(曹洞宗)

天正年間(1573~1592)徳川家の旗本 沢次郎左衛門の開基、阿山吞碩大和尚の開山とされている。

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*西武池袋線 「狭山ヶ丘駅」下車、南方向へ徒歩 約30分。

(撮影:平成24年11月8日)