大日堂(だいにちどう)胎蔵界曼荼羅板碑

 大日堂(だいにちどう)(埼玉県大里郡寄居町富田字谷津)

  胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)を刻んだ板碑で、鎌倉時代中期 観元元年(1243)の紀年銘がある。寄居町最古の板碑。

大日堂(だいにちどう)胎蔵界曼荼羅板碑(県指定文化財、鎌倉時代中期 観元元年 1243年、緑泥片岩、高さ 137Cm 下幅 76Cm)

頭部山形、下は両側面にのみ二段の切込、身部は浅く彫り沈め五重線の輪郭を設け、内に胎蔵界曼荼羅 中台八葉院を種子で刻む。下部に紀年銘がある。

板碑 頭部

頭部山形で山形の二片を斜めに削り落す。二段の切込は両側面のみで正面はない。身部は一重の輪郭を巻く

中台八葉院は、中央に五点具足の大日如来、周りに四仏四菩薩の種子を月輪内に配し、弁間に三鈷杵の三鈷部を刻む

胎蔵界曼荼羅 中台八葉院

中台八葉院は、下記の種子を月輪内に刻み、弁間に三鈷杵頭部、四隅には花瓶(けびょう)を刻む

弥勒菩薩の種子「ユ」 - - 宝幢如来の種子「ア」 - - 普賢菩薩の種子「アン」
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天鼓雷音の種子「アク」 - - 胎蔵界大日如来(五点具足)の種子「アーンク」 - - 開敷華王の種子「アー」
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観自在菩薩の種子「ボ」 - - 無量寿の種子「アン」 - - 文殊菩薩の種子「ア」

中央の大日如来四如来(黄文字色)四菩薩(青文字色)

板碑 下端

中央に「寛元々年(1243)癸卯八月十七日敬白」の紀年銘が入る

中台八葉院 四隅の花瓶(けびょう) 刻銘:「寛元々年癸卯八月十七日」

 大日堂(だいにちどう)正中二年銘板碑(断碑) 他                石仏と石塔-目次!

大日堂(だいにちどう)

板碑は大日堂の手前、向かって左側の覆屋(正面鉄柵)に施錠され置かれている。

 板碑(いたび)

*東武東上線「男衾(おぶすま)駅」下車、南方向へ 約1.1Km。

(撮影:平成23年10月30日)