観音寺(かんのんじ)阿弥陀一尊図像板碑

 観音寺(かんのんじ)(埼玉県比企郡吉見町大串1282)

  阿弥陀立像を刻んだ板碑で、室町時代中期 文明元年(1469)の紀年銘がある

観音寺 阿弥陀一尊図像板碑 (町指定文化財、室町時代中期 文明元年 1469年、緑泥片岩、高さ 74Cm 下幅 32Cm)

頭部山形と右側上部を欠損する。身部は一重の輪郭を巻き、内に放射光の頭光を負い蓮華座上に立つ阿弥陀如来を刻む。惜しくも、像の上半が剥落している。

板碑 下部

中央に「文明元年(1469)己丑、八・・・・」、左右に「念仏」、「供養」残る空間に十数名の交名を刻む。

 観音寺(かんのんじ)文永五年銘 阿弥陀一尊種子板碑

観音寺 阿弥陀一尊種子板碑 (町指定文化財、鎌倉時代中期 文永五年 1268年、緑泥片岩、高さ 65Cm 幅 29Cm)

頭部山形、下に二段の切込。身部は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」を蓮華座上月輪内に薬研彫し、下方に紀年銘を刻む

身部 下方

中央に「文永五(1268)・・・・・」の紀年銘を刻む。「文永」の「永」以下の文字が埋まっている。

 観音寺(かんのんじ)永徳二年銘阿弥陀三尊種子板碑

観音寺(かんのんじ)釈迦三尊種子板碑 (南北朝時代後期 永徳二年 1382年、緑泥片岩)

頭部山形、下に二段の切込。身部は一重線の輪郭を巻き、内に阿弥陀三尊の種子を蓮華座上月輪内に薬研彫する。下方に刻銘がある

阿弥陀三尊は、上に大きく阿弥陀如来の種子「キリーク」、向かって右下に観音菩薩の種子「サ」、左下に勢至菩薩の種子「サク」を薬研彫する。

身部 下方

身部下方中央に「永徳二年(1382)壬戌、十月」と刻む。

 観音寺(かんのんじ)板碑群

阿弥陀三尊種子板碑(右端から五基目、高さ 58Cm 阿弥陀一尊種子板碑(右端から四基目

観音寺 板碑(断碑、六基目)

下方に刻銘があるが不明。

観音寺 板碑収容 覆屋内、小型板碑群

 西見寺(さいけんじ)阿弥陀一尊種子板碑                        石仏と石塔-目次!

観音寺 板碑収容 覆屋

小型板碑も含めて、十三基の板碑が収容されている。

 板碑(いたび)

*JR高崎線 北本駅前から吉見町巡回バス 道の駅行きに乗車、「大串バス停」下車、西方向へ徒歩 約2分。または、JR鴻巣駅前から東武バス 川越駅行きに乗車、「上荒子バス停」下車 西方向へ約 1Km。

(撮影:平成24年4月21日)