金蔵院 応安六年銘 二重宝篋印塔

 金蔵院(こんぞういん)(埼玉県比企郡吉見町大串2244)

   永和二年(1376)二重宝篋印塔と同形式で、高さも同じくらい。基礎に南北朝時代中期 応永六年(1373)の紀年銘がある。

金蔵院(こんぞういん)二重宝篋印塔 (県指定史跡、南北朝時代中期 応永六年 1373年、安山岩)

二層目軸部、輪郭を巻き金剛界四仏の種子を刻む(正面、ウーン:阿閦)
宝篋印塔は、山門の入口近くに覆屋を設け内に安置する 二層目軸部、輪郭を巻き金剛界四仏の種子を刻む(南面、タラーク:宝生)

二層目 笠

笠の段型は、下二段、上五段、五段目は背を高くして露盤とする。隅飾は、すべて欠失する。

二層軸部、輪郭を巻き金剛界四仏の種子を刻む(西面、キリーク:阿弥陀)
二層目軸部、輪郭を巻き金剛界四仏の種子を刻む(北面、アク:不空成就) 宝篋印塔は、永和二年銘宝篋印塔と同じく二重形式になっている

初層 笠

二弧輪郭付隅飾りの先端に蕨手(わらびて)をつけ、高欄(勾欄)風になっている。

相輪は、下から伏鉢、請花、九輪で、上の請花・宝珠を欠失する。一・二層目笠の隅飾りを多く無くしているが、不思議に整った印象がある。

初層 軸部

四面とも一区輪郭付で、内は人名を刻む。

基 礎

基礎は上端二段で、側面は四面とも二区で、内に人名を刻む。

背面中央の束に「応安六年(1373)癸丑三月日」の紀年銘を刻む。

もう一基の宝篋印塔より、三年早い応安六年(1373)の造立になる 刻銘:「応安六年(1373)、癸丑、三月日」

反花座(かえりばなざ)

切石の基壇上に、上端が複弁反花、側面が二区の反花座を置き、上に石塔を据える。

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金蔵院(こんぞういん) 毘沙門堂 (本山修験宗)

かっては、七堂伽藍が備わった大寺院であったが、今は後に建てられた毘沙門堂のみを残す。

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*JR高崎線 鴻巣駅前から東武バス ウエスト 川越行きに乗車、「上荒子バス停」下車、南西方向へ 約450m。

(撮影:平成23年11月2日)