金蔵院(こんぞういん)釈迦三尊種子板碑

 金蔵院(こんぞういん)(埼玉県比企郡吉見町大串2244)

  釈迦三尊の種子を刻んだ板碑で、室町時代前期 応永二十九年(1422)の紀年銘がある。

金蔵院 釈迦三尊種子板碑 (室町時代前期 応永二十九年 1422年、緑泥片岩、高さ 78Cm 下幅 31Cm)

身部上方、釈迦如来の種子、下に普賢・文殊 両菩薩の種子を刻む。三尊とも、蓮華座上の線刻月輪内に刻まれ、下方は紀年銘と光明真言を刻む。

板碑 頂部

頭部山形、下に二段の切込。身部は一重線の輪郭を巻く

板碑は厚さ2Cm、室町時代前期 応永二十九年(1422)の作品 身部上方、蓮華座上月輪内に釈迦三尊を種子で刻む

釈迦三尊種子は、上に大きく釈迦如来の種子「バク」、向かって右下に普賢菩薩の種子「アン」、左下に文殊菩薩の種子「マン」を薬研彫する。

身部 下方

中央に、「応永廿九年(1422)三月十・・・、東・・・、庵・・・・」、左右に梵字で各二行 光明真言を刻む。

光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」「シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ」 「マ、ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ」「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

 金蔵院(こんぞういん)阿弥陀一尊種子板碑(弘安六年銘)

阿弥陀一尊種子板碑(鎌倉中期 弘安六年 1283年、高さ73Cm) 阿弥陀種子板碑(年代不明、緑泥片岩)

弘安六年銘板碑:頭部山形。二段の切込は、正面になく両側面にある。身部は輪郭が無く、蓮華座上阿弥陀種子の下に「弘安六年(1283)二月・・・」の刻銘がある。

 金蔵院(こんぞういん)十三仏種子断碑

金蔵院 十三仏種子板碑 (年代不明、緑泥片岩、高さ 75Cm 下幅 46Cm 厚さ 3Cm)

身部下方を欠失する。頭部山形、下に二段の切込、身部は一重の輪郭を巻き、内に十三仏の種子を刻む。最上段は通常、虚空蔵を刻むが、大日の「バン」を刻む。大日の

向かって右下に虚空蔵の「タラーク」、左下に阿閦の「ウーン」、阿閦の下に阿弥陀の「キリーク」、その横に勢至の「サク」を刻む。各種子は、蓮華座上の月輪内に刻まれている

断碑、蓮華座の下に、磨滅した刻銘がある。 十三仏種子断碑

金蔵院(こんぞういん) 板碑群

小型の板碑群は、応安六年銘 宝篋印塔の南側に立っている

 観音寺(かんのんじ)阿弥陀三尊種子板碑                     石仏と石塔-目次!

金蔵院(こんぞういん) 山門

 板碑(いたび)

*JR高崎線 鴻巣駅前から東武バス ウエスト 川越行きに乗車、「上荒子バス停」下車、南西方向へ 約450m。

(撮影:平成23年11月2日)