観音寺(かんのんじ)阿弥陀三尊種子板碑

 観音寺(かんのんじ)(埼玉県比企郡吉見町大串1282)

  武蔵型板碑早期のもので鎌倉時代前期 貞永二年(1233)の古い紀年銘がある

観音寺 阿弥陀三尊種子板碑 (町指定文化財、鎌倉時代前期 貞永二年 1233年、緑泥片岩、高さ 89Cm 下幅 48Cm)

境内の覆屋に立つ。傷みが目立つが、二条線・額部・三尊種子・銘文は、くっきりと確認できる。貞永二年(1233)の古い紀年銘がある

板碑 頭部

頭部、下に二条線、額部は薄く突出する。紀年銘の古さから身部の輪郭はないと思われる。

身部上方、蓮華座なしに阿弥陀三尊種子を月輪内に刻む 身部下方の刻銘(貞永二年)

阿弥陀三尊は、上に大きく阿弥陀如来の種子「キリーク」、向かって右下に観音菩薩の種子「サ」、左下に勢至菩薩の種子「サク」を薬研彫する。

身部下方に「貞永二年(1233)癸巳、三月二日、悲母也」と刻む。

身部 下方

刻銘:「貞永二年(1233)癸巳、三月二日、悲母也」

貞永二年(1233)より古い武蔵型板碑は、熊谷市江南文化センターの二基、熊谷市樋春の真光寺阿弥陀一尊種子板碑(安貞二年 1228年)がある。

貞永二年銘の板碑は、北本市の東光寺に貞永二年正月七日銘の阿弥陀三尊種子板碑がある。本板碑は同年三月二日銘で、東光寺の板碑に次いで古い。

各部が傾斜して残っている。幅の広い板碑であったかもしれない 刻銘:「貞永二年(1233)

観音寺 板碑収容 覆屋

小型板碑も含めて、十三基の板碑が収容されている。

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観音寺(かんのんじ)長屋門 (真言宗智山派)

 板碑(いたび)

*JR高崎線 北本駅前から吉見町巡回バス 道の駅行きに乗車、「大串バス停」下車、西方向へ徒歩 約2分。または、JR鴻巣駅前から東武バス 川越駅行きに乗車、「上荒子バス停」下車 西方向へ約 1Km。

(撮影:平成24年4月21日)