常楽寺(じょうらくじ)三重塔(湖南市西寺6-5-1)

  「西寺(にしでら)の観音」で知られる。元明天皇の勅命により良弁が、国家安穏、守護の為建立された

常楽寺(じょうらくじ)三重塔(国宝、室町時代 応永7年 1400年、本瓦葺、高さ22.8m)


三層部(組高欄、三手先組物、中備えは中央のみ間斗束)

二層部(組高欄、三手先組物、中備えは三間とも間斗束)

常楽寺は元明天皇の勅命により、良弁が開創されたと伝えられる

延文五年(1360年)火災で建築群を焼失、本堂はこのときに再建された。その後も朝廷の護願寺として信仰された

塔は、擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えは三間とも間斗束


二層部の組高欄

初層部、屋根の曲線が美を演出する。軒は二軒繁垂木

三重塔は、応永五年(1398)の勧進状があり、二個の瓦に応永七年(1400)の箆書(へらがき)があり時代を証明している

三重塔遠景

常楽寺より南東に約20分歩いた所にある長寿寺を「東寺」(ひがしでら)といい、常楽寺は「西寺」(にしでら)と呼ばれている


初層、鬼瓦

初層、尾垂木と軒の垂木(二軒繁垂木)

初層、尾垂木と組物の列が心をくすぐる。軒の垂木も美しい(写真:右下)

三重塔遠景

三重塔の内部は、四天柱・来迎壁があり釈迦如来坐像を安置する。壁面には、この寺院が「天台宗」にもかかわらず、真言八祖も含まれた壁画が描かれている

  滋賀県の塔 ハ見寺三重塔                                 日本の塔-目次

常楽寺本堂(国宝、延文5年1360年再建、入母屋造、桧皮葺)

軒反りが美しい中世の建造物

* JR草津線「石部駅」下車、コミュニティバス「めぐるくん」で西寺下車 徒歩3分。予約が必要。

予約:TEL0748-77-3089(常楽寺)。常楽寺より1Kmの国宝の本堂で有名な「長寿寺」(TEL:0748-77-3813)も予約が必要(入山料:500円)。

(平成16年9月5日・平成19年1月28日遠景他 撮影)