権現山(ごんげんやま)参道 大日種子板碑

 羽島神社(はしまじんじゃ)[島根県安来市飯島町(はしまちょう)297]

  権現山という小山の頂上に建つ 羽島神社、その参道、石段を登った踊り場の崖面に二基の板碑がある。その内の一基で、 応永二年(1395)の紀年銘がある。

権現山参道 大日種子板碑 (市指定文化財、室町時代初期 応永二年 1395年、安山岩、高さ 99Cm 下幅 26Cm)

羽島神社参道、石段を登った踊り場の崖面を彫りくぼめ、内部に安置する。頭部山形、身部に胎蔵界大日如来の種子「ア」と刻銘がある。

板碑 頭部

頭部山形、下に二条線、薄い額部を作り出す。

身部 上方

身部上方に胎蔵界大日如来の種子「ア」を刻む。

板碑の刻銘(全文) 刻銘:「南无(無)大日如来」

刻銘は、胎蔵大日種子「ア」の下中央に「南无(無)大日如来法阿禅門」、向って右に「應(応)永二年」、左に「二月日逆修」と刻む。

室町時代初期 応永二年(1395)二月に大日如来を信仰する法阿が、自己の生存中に死後の法要を営みこの板碑を造立した。

身部 下方

向って右側に「應(応)永二年」、左側に「二月日逆修」、中央は南无大日如来法阿禅門」の刻銘。

板碑 根部

根部は、薄く突出する。

二基の板碑

二基の板碑は、石段を登った踊り場の崖面を彫りくぼめ、内部に安置されている。

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羽島神社(はしまじんじゃ)

羽島神社が、昔は羽島大権現と言って大日如来を祀り、中腹には中宮寺があったといわれている。

                     (「中国地方の板碑」、播磨定男 編著、岡部敦志氏執筆)

 板碑(いたび)

*JR山陰本線 安来駅前から日の丸バス松江線に乗車、「前飯島バス停」下車、北西方向へ約400m。羽島神社参道、石段を登った踊り場に二基の板碑が安置されている。

(撮影:平成24年9月18日)