宝台院 変形宝篋印塔(西郷局廟塔)

 宝台院(ほうだいいん)(静岡県静岡市常盤町2-13-2)

   徳川秀忠の生母 西郷局(さいごうのつぼね)の廟塔で、宝篋印塔と五輪塔の混合した変形宝篋印塔。江戸時代初期の造立。

宝台院 変形宝篋印塔(市指定文化財、江戸時代初期 寛永三年 1626年、安山岩、高さ 270Cm)

徳川秀忠の生母 西郷局(お愛の方)の廟塔で、宝篋印塔と五輪塔の混合した変形宝篋印塔。相輪を立て、形状の進化した姿がある。

宝台院は、室町時代中期 観誉祐宗により開かれた寺院で龍泉寺と称した。徳川家康の側室で、二代将軍 秀忠の生母 西郷局を葬った寺院。後 西郷局に宝台院

の法号が贈られ、秀忠が母の菩提を弔って当地に大寺院を建立し、名を宝台院と改めた。西郷局は、天正十七年(1589)、三十八歳の若さで亡くなっている。また

、昭和15年(1940)の大火と昭和20年(1945)の戦災で、旧 国宝の本堂他 往時の建造物は焼失、この時、石塔も火災を受け大破している。・・・・・・・・・・・・・・

五輪塔 火輪(笠)の下端に三段の段型をつけ、笠の中央部に宝篋印塔の隅飾り、中央にも

同様の飾りをつける。飾りは、三弧輪郭付で内は無地、やや外傾する。笠は、軒口薄く両端で反る。

塔 身

塔身は外線が美しい球形。側面から背面にかけて傷んでいる。

相輪は下部の伏鉢・請花がなく、九輪・請花・宝珠と続く。混合式宝篋印塔は、重量感のある、どっしりとした姿を見せている。

基礎・基壇

基礎上端は二段、側面は四面とも輪郭を巻き内は無地、基礎下に反花座。基壇は切石で二段、低い一段の上に安定感のある分厚い一段を載せる。

 宝台院(ほうだいいん)(静岡県静岡市常盤町2-13-2)

宝台院 切支丹 燈籠 (安土桃山時代)

茶人 古田織部が製作し、駿府城へ奉納、徳川家康の侍女 「ジュリアおたあ」が信拝したという。竿(さお)がクロスになっている。

 清浄寺(しょうじょうじ)混合式石塔群                       石仏と石塔-目次!

宝台院(ほうだいいん)(浄土宗)

混合式変形宝篋印塔は、門内左手に安置されている。

宝篋印塔紀年順  無量光寺(むりょうこうじ)寛永七年銘 宝篋印塔(江戸時代前期)  宝篋印塔-紀年順-目次

*JR東海道本線 「静岡駅」下車、西南方向へ徒歩 約10分。

(撮影:平成24年11月6日)