地福寺(じふくじ)(千葉県香取市大戸594)
古風な下総型板碑で、鎌倉時代中期 弘安五年(1282)の紀年銘がある。金剛界大日如来の種子を刻む。
地福寺(じふくじ) 金剛界大日一尊種子板碑 (鎌倉時代中期 弘安五年 1282年、黒雲母片岩、高さ 104Cm 幅 45Cm)
身部は、天蓋の下に金剛界大日如来の種子「バン」を蓮華座上に薬研彫し、下方に涅槃経に出る偈(げ)、左右に紀年銘、願文を刻む。
板碑 頭部
頭部山形、下に二条線。身部の輪郭はない。
天蓋の下、金剛界大日如来の種子「バン」を蓮華座上に刻む | 刻銘:「弘安五秊(1282)、壬午、十二月六日」 |
紀年銘は、向かって左側に「弘安五秊(1282)、壬午、十二月六日」と刻み、身部下方に涅槃経に出る「諸行無常」の偈(げ)を刻む。
身部下方、涅槃経の偈(げ)
涅槃経の偈(げ):「諸行無常(しょぎょうむじょう)」「是生滅法(ぜしょうめっぽう)」「生滅々已(しょうめつめつい)」「寂滅為楽(じゃくめついらく)」
[ 諸行は無常である。これ生滅の法である。生滅を滅しおわりて、生も滅もない寂滅を楽しみとする。]
地福寺(じふくじ)阿弥陀一尊種子板碑
地福寺(じふくじ)阿弥陀一尊種子板碑 (年代不明、黒雲母片岩、高さ 75Cm 幅 54.5Cm)
頭部山形、下に二条線。身部は輪郭を巻かず、天蓋の下に阿弥陀如来の種子「キリーク」を蓮華座上に薬研彫する。時代は下がる。 |
板碑 収蔵の覆屋
弘安五年(1282)銘の板碑は、向かって右から三基目。右端が阿弥陀一尊種子板碑。
*JR成田線 「大戸駅」下車、南東方向へ徒歩 約10分。
(撮影:平成23年11月3日)