浄土寺(じょうどじ)(千葉県香取市大戸川 35)
中央に阿弥陀種子を刻んだ早期の下総型板碑で、鎌倉時代中期 文永八年(1271)の紀年銘がある。
浄土寺 阿弥陀一尊種子板碑 (鎌倉時代中期 文永八年 1271年、黒雲母片岩、高さ 115Cm 幅 66Cm)
鐘楼の奥に並んで安置する板碑群、向かって右端の板碑。身部、天蓋(てんがい)の下に阿弥陀如来の種子「キリーク」を蓮華座上に大きく刻む |
板碑 頭部
頭部山形、下に一条線。身部は輪郭を巻かない。
天蓋(てんがい)
蓮華座を逆さにしたような形で、左右の先端に蕨手(わらびて)を出し、分銅の様な瓔珞(ようらく)を垂らしている。
天蓋の下、蓮華座上に刻まれた阿弥陀如来の種子「キリーク」 | 刻銘:「文永八年(1271)、辛未」「十一月九日、敬白」 |
板碑下部の刻銘
左右の刻銘(各二行)(観無量寿経の偈):「光明遍照、十方世界、念仏衆生、摂取不捨」
中央の刻銘(二行):「文永八年(1271)、辛未、十一月九日、敬白」
偈(げ):「光明遍照(こうみょうへんじょう)、十方世界(じっぽうせかい)、念仏衆生(ねんぶつしゅじょう)、摂取不捨(せっしゅふしゃ)」
[ 光明はあまねく十方世界を照らし、念仏の衆生をば摂取して捨てたまわず。]
板碑群 向かって右側三基
向かって左端は、永仁六年銘(1298) 大日・阿弥陀二尊種子板碑、中央が至徳三年(1386)銘 十三仏種子板碑。
浄土寺(じょうどじ)阿弥陀並座 図像板碑 石仏と石塔-目次!
浄土寺(じょうどじ)板碑群
文永八年(1271)銘 阿弥陀種子板碑は向かって右端に安置されている。
*JR成田線 「大戸駅」下車、北西方向へ徒歩 約5分。
(撮影:平成23年11月3日)