本立寺(ほんりゅうじ)阿弥陀三尊種子板碑

 本立寺(ほんりゅうじ)(東京都八王子市上野町11-1)

  阿弥陀三尊の種子を刻んだ美しい板碑で、南北朝時代初期 建武三年(1336)の紀年銘がある。

本立寺 阿弥陀三尊種子板碑(南北朝時代初期 建武三年 1336年、緑泥片岩、高さ 126Cm 幅 34Cm)

本立寺北門を入った左手に立っている。身部上方に阿弥陀三尊の種子を蓮華座上月輪内に薬研彫し、下方に偈(げ)と紀年銘を刻む

板碑 頭部

頭部山形、下に二段の切込、額部は薄く突出する。身部は、一重線の輪郭を巻く。

蓮華座上月輪内に刻まれた阿弥陀三尊種子 身部下方の刻銘、中央に紀年銘、左右に偈(げ)を刻む

阿弥陀三尊は、上に大きく阿弥陀如来の種子「キリーク」、その下向かって右側に観音の種子「サ」、左側に勢至の種子「サク」を薬研彫する。

刻銘は中央に「建武三秊(1336)丙子貳月十七日、沙弥、脩阿」、左右に各二行 「心地観経」に出る偈(げ)を刻む。

「心地観経(大垂本生心地観経)」に出る偈(げ)

偈(げ):「以其男女追修福(いごなんにょついしゅふく)有大金光照地獄(うだいこんこうしょうじごく)

光中演説微妙法(こうちゅうえんぜつみみょうほう)開悟父母令発意(かいごぶもりょうほつい)

[ その男女(父母)の追修の功徳は、大金光(だいこんこう)あって地獄を照らし、光の中に仏があらわれ微妙の法を演説し、父母を開悟し発意(ほつい)せしむ ]

この板碑は、美しい姿・形から「板碑遍歴六十年」(石井真之助 著、木耳社)や「板碑の美」(鈴木道也 著、西北出版)に掲載されている

 本立寺墓地(ほんりゅうじぼち)阿弥陀一尊種子板碑

本立寺墓地(ほんりゅうじぼち)阿弥陀一尊種子板碑

本立寺境内墓地、渡部家墓域に立っている小型板碑。身部上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」を刻む。

 伝 松木(まつぎ)七郎墓 宝篋印塔                             石仏と石塔-目次!

本立寺(ほんりゅうじ)本堂(日蓮宗)

 板碑(いたび)

*JR八王子駅南口下車、南口から西方向へ 約12分。

(撮影:平成24年4月19日)