塩船観音寺(しおふねかんのんじ)種子板碑

 塩船観音寺(しおふねかんのんじ)(東京都青梅市塩船194)

  完全であれば二メートルを超す大板碑で、鎌倉時代後期 永仁四年(1296)の紀年銘がある。

塩船観音寺 種子板碑(市指定文化財、鎌倉時代後期 永仁四年 1296年、緑泥片岩、高さ 180Cm)

本堂の手前、向かって右手前の小堂内に立つ。頭部山形から阿弥陀種子の下方までを欠失し、蓮華座の下に偈と造立趣旨・紀年銘を刻む

板碑 頭部

頭部山形を欠失する。身部は、一重線の輪郭を巻く。

法華経化城喩品に出る偈(げ)

偈(げ):「願以此功徳(がんにしくどく) 普及於一切(ふぎゅうおいっさい) 我等与衆生(がとうよしゅじょう) 皆共成仏道(かいぐじょうぶつどう

[ 願わくばこの功徳をもって、あまねく一切に及ぼし、我等と衆生と、皆共に仏道を成ぜん ]

身部下方の刻銘、中央に紀年銘、左右に造立趣旨を刻む 身部下方、造立趣旨(左・右)

刻銘は中央に「永仁二二(四)(1296)丙申九月十四日、大勧進成円」、左右に「奉造立一百余人、逆修卒都婆也」と刻む。

僧成円が一百余人を勧進して、彼らの逆修供養の為に板碑を造立した。板碑は、この地域での結衆逆修塔婆としては初見という。

刻銘:「永仁二二(四)(1296)丙申九月 板碑は、板碑堂と名付けられた小堂に安置されている

塩船観音寺(しおふねかんのんじ)阿弥陀堂(重要文化財、室町時代、寄棟造、銅板葺)

板碑は、この阿弥陀堂背後の中世墓域と思われる林地にあったという

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塩船観音寺(しおふねかんのんじ)仁王門(重要文化財、室町時代、切妻造、茅葺)

 板碑(いたび)

*JR青梅線 河辺(かべ)駅北口から 都バス 塩船観音方面行きに乗車、「塩船観音入口バス停」下車、北方向へ徒歩 約8分。

(撮影:平成24年4月19日)