無量院(むりょういん)阿弥陀種子板碑(安山岩製)

 無量院(むりょういん)(栃木県足利市葉鹿町2003)

  板碑は、本堂裏側から出土したもので、十六点が市の文化財に指定されている。

   弘安十年(1287)から応安七年(1374)銘の緑泥片岩製板碑が十四点、安山岩製板碑が二点で、安山岩製は室町時代以降のものとされる。

 無量院(むりょういん)阿弥陀三尊種子板碑(安山岩製)

無量院 阿弥陀三尊種子板碑(市指定文化財、造立年不明、安山岩、高さ 44.3Cm 幅14.2Cm)
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本堂に保管する。頭部山形、下に二条線、額部は省略する。身部は、上方に阿弥陀三尊種子を刻み、下方の刻銘はない

栃木県下の安山岩製板碑は、緑泥片岩製に比べ数も少なく、時代も下がる。石の特質上、厚みがある。

身部の種子

上に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向かって右下に勢至菩薩の種子「サク」、左下に観音菩薩の種子「サ」を刻む。

種子の彫りも弱く、脇侍の配置が通常の逆になっている。

 無量院(むりょういん)阿弥陀三尊種子板碑(安山岩製)

無量院 阿弥陀三尊種子板碑(市指定文化財、室町時代 寛正二年 1461年、安山岩、高さ 35Cm)

板碑は、二分断になっている。頭部山形、下の二条線は省略されている。

身部は、上に阿弥陀の種子「キリーク」、向かって右下に観音の種子「サ」、左下に勢至の種子「サク」を刻み阿弥陀三尊とする。

 無量院(むりょういん)阿弥陀一尊種子板碑(緑泥片岩製)

無量院 阿弥陀一尊種子板碑(市指定文化財、南北朝時代 貞和年間 1345~1350年、緑泥片岩、高さ 約40Cm)

頭部山形、下に二条線、身部は一重の輪郭を巻く。身部上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」を蓮華座上月輪内に刻む。

市指定文化財の緑泥片岩製(武蔵型)板碑は十四点あり、鎌倉時代 弘安十年(1287)から南北朝時代 応安七年(1374)迄の銘がある。

種子は、阿弥陀を主尊とする一尊、あるいは三尊形式で、蓮華座上に種子が刻まれている。内 四基は、華瓶(花瓶)が表現されている。

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無量院(むりょういん)(真言宗豊山派)

 板碑(いたび)

*JR両毛線「小俣駅」下車、 南東方向へ 約1Km。

(撮影:平成24年4月23日)