浄徳寺(じょうとくじ)阿弥陀一尊種子板碑

 浄徳寺(じょうとくじ)(栃木県足利市県町1545)

  小型が多い下野の板碑の中で、高さ142Cmの栃木県を代表する武蔵型板碑の一基。鎌倉時代 弘安七年(1284)の在銘。

浄徳寺阿弥陀一尊種子板碑(市指定文化財、鎌倉時代中期 弘安七年 1284年、緑泥片岩、高さ 142Cm 幅 35.5Cm)

身部は、上方に三弁宝珠で荘厳した阿弥陀如来の種子を蓮華座上に、下方は恵心僧都源信の「敬白念仏勧進」の偈、紀年銘を刻む

板碑 頭部

頭部山形下に二段の切込。身部は一重線の輪郭を巻く。

三弁宝珠の下、阿弥陀の種子「キリーク」を蓮華座上に刻む 身部下方の刻銘

刻銘:下方中央に「弘安七秊(1284)三月日、左右に各一行で、恵心僧都源信「敬白念仏勧進」に出る偈(げ)を刻む。

不論不浄   不論心乱   但念弥陀   即得往生

恵心僧都源信の「敬白念仏勧進」に出る偈(げ)

偈(げ):「不論不浄(ふろんふじょう)不論心乱(ふろんしんらん)」「但念弥陀(たんねんみだ)即得往生(そくとくおうじょう)

[ 不浄を論ぜず、心乱を論ぜず、ただ弥陀を念ずれば、即ち極楽浄土に往生することができる。]

板碑、下部

根部は、薄く突出する。

刻銘:「弘安七秊(1284)三月日日」 格調高い板碑で、門前左手、石塔群の中に立っている

 浄徳寺(じょうとくじ)阿弥陀三尊種子板碑                            石仏と石塔-目次!

浄徳寺(じょうとくじ) (臨済宗 建長寺派)

 板碑(いたび)

*東武伊勢崎線「県駅」下車、 西方向へ 約1.6Km。門前左手、石塔群の中に立つ。

(撮影:平成24年4月23日)