満願寺(まんがんじ)(栃木県小山市立木956)
下野最大の武士団を率いた、小山氏の祖 小山政光の逆修塔と伝える六面石幢で、鎌倉時代初期 文治四年(1188)の紀年銘がある。
満願寺 六面石幢 (市指定文化財、鎌倉時代前期 文治四年 1188年、凝灰岩、高さ 76Cm)
五輪塔の水輪を流用した台座上に、六角柱の幢身を立てる。幢身の上に載っていたと思われる六角の笠、請花・宝珠は欠失する。 |
幢身上方正面に、梵字「オン」(帰命)から始まる「金剛界五仏」の種子、正面の種子の下に紀年銘と造立者名を刻む。刻銘は風化・磨滅が進んでいる。
幢身 上端
ほぼ円形の奉籠孔が穿たれている。
六面石幢、正面 | 正面、三行の刻銘 |
刻銘:「文治四年(1188)、歳次、戊申、九月十一日、甲辰」、「下野国権大掾藤原政光」、「入道蓮西造立之」
現地説明板には、「小山氏初代の政光は、重い病気をしたが、さいわい再起することが出来、その後髪をそり、仏の道に入った。そこで、
文治四年(1188)に逆修の式(生前にあらかじめ、死後の光福を祈っておこなう仏事)をあげこの塔を立てたものである。」と記されている。
台 座
五輪塔の水輪を流用する。
正面上方、梵字「オン」(帰命) | 金剛界五仏の種子「ウーン」(阿閦如来) |
幢身上方に、梵字「オン」から右回りに金剛界五仏の種子が刻まれている。(磨滅が進み痕跡に近い)
金剛界五仏の種子は、金剛界大日如来「バン」、阿閦如来「ウーン」、宝生如来「タラーク」、阿弥陀如来「キリーク」、不空成就如来「アク」
金剛界五仏の種子「タラーク」(宝生如来) | 金剛界五仏の種子「アク」(不空成就如来) |
幢身上方、金剛界五仏の種子
六面石幢 覆屋
六面石幢は、門内左手、小さな祠の中に安置されている
満願寺(まんがんじ) 本堂 (天台宗)
撮影時は、新築中であった。
*JR宇都宮線「小山駅」下車、北西方向へ徒歩 約35分。又は、小山駅前から小山コミュニティバス(おーバス)思川駅行きに乗車、「満願寺入口バス停」下車 西方向へ徒歩 約3分。
(撮影:平成24年4月24日)