青谷(あおや)阿弥陀三尊種子自然石塔婆

 青谷(あおや)阿弥陀三尊種子自然石塔婆(鳥取県鳥取市青谷町青谷)

   鳥取県に数少ない在銘石塔婆で、南北朝時代末期 嘉慶三年(1389)の北朝年号を刻む所から「嘉慶の碑」と呼ばれている。

青谷阿弥陀三尊種子自然石塔婆 (市指定文化財、南北朝時代末期 嘉慶三年 1389年、安山岩、高さ 148Cm 幅 55Cm)

湊神社の南側に隣接する小堂内に立っている。自然石の表面上方に阿弥陀三尊の種子を薬研彫し、下方に紀年銘等が刻まれている。

石塔婆 頭部

頭部山形で、少し手を加え丸みを持たし、二条線は刻まない。

上方に大きく阿弥陀如来の種子「キリーク」、下方向って右に観音菩薩の種子「サ」、左に勢至菩薩の種子「サク」を薬研彫し、阿弥陀三尊とする。

石塔婆 下方

剥離している部分もあるが、向かって右寄りに刻銘がある。

自然石塔婆 刻銘 鳥取県に数少ない在銘石塔婆で、北朝年号を刻む貴重なもの。

刻銘は、中央に「嘉慶三年(1389)、己巳、四月吉日」、向かって右側に「一結衆ホ(等)、左側に「敬白」と刻む。

嘉慶三年(1389)は2月8日迄で、翌日から康応元年と改元され、上記の四月吉日は康応元年になる。中央の指令が遅れて伝わっているのは興味深い。

青谷阿弥陀三尊種子自然石塔婆 (市指定文化財、南北朝時代末期 )

石塔婆は、小堂内に安置されている。背後は、湊神社境内。

「海の姥捨て山」の言い伝えも残り、「渡海供養碑」であるとも言われているという。

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湊 神 社

向って左側の小道を入ると、石塔婆が安置されている小堂がある。

 板碑(いたび)

*JR山陰本線「青谷駅」下車、北方向へ徒歩 約10分。湊神社の南側道路、神社に隣接して小堂が建ち、その中に安置されている。

(撮影:平成24年9月17日)