東京都の塔

池上・本門寺

本門寺(ほんもんじ)五重塔(東京都大田区池上町1-1-1)

 日蓮上人、入寂の地。日蓮宗四大本山の一つとして知られる

本門寺五重塔(重要文化財・桃山時代、二層本瓦葺、三、四、五層瓦棒銅板葺・高さ 29.5m)


五層(瓦棒銅板葺・扇垂木、三手先組物)

二層(本瓦葺・擬宝珠付き高欄・三手先組物)

五重塔は、慶長十二年(1607年)の建立。

身延にあって死期の迫った日蓮は弘安五年(1282年)身延を降りて池上に向かった。10日の後、9月18日に池上に着いた。

その25日後、10月13日入定した。このとき庭先の桜がときならぬ花を咲かせたという。これがお会式桜といわれ、万燈(まんとう)の起こりとなった

塔は基壇上に建つ。高欄のない縁をめぐらし、中央間桟唐戸、脇間雲板様盲連子窓、中備えは三間とも十二支の彫刻のある蟇股


二層以上は逆蓮柱付き高欄、扇垂木

初層、組物の一部に竜首を刻んだ三手先組物、軒は二軒繁垂木

本門寺は徳川家康・秀忠の外護を受け、加藤清正は四十間四面の祖師堂を寄進した。宝永七年全焼したが八代将軍吉宗により再興した

   

関東の塔では最古の塔。初層のみが元禄十五年(1702年)の改変で和様とされ、二層以上を禅宗様とする(二層から五層まで扇垂木を用いる)


三層は瓦棒銅板葺

初層、瓦葺、二軒繁垂木が美しい

組物は三手先組物、二層から五層までの扇垂木が美しい。初層内部は四天柱、来迎壁がある

初層、基壇上の縁側

ここ池上の地は、日蓮上人に帰依した鎌倉幕府の奉行 池上宗仲の領地だった

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初層、四隅の鬼瓦

初層の大きな木鼻が面白い

初層の中備えは三間とも蛙股。二層以上では間斗束が三層まで各間にあり四層以上にはない

(平成17年2月13日撮影)