金剛三昧院多宝塔(伊都郡高野町高野山425)

  高野山金剛峯寺の塔頭の一つ。北条政子が源頼朝のために禅定院を建立したのが最初

金剛三昧院多宝塔(国宝、鎌倉時代前期 貞応二年 1223年、桧皮葺、高さ14.8m)


上重、四手先組物、軒は二軒繁垂木

下重、柱は角柱

大津石山寺多宝塔についで日本で二番目に古い多宝塔。形のよさを石山寺多宝塔と競う

塔は高欄のない縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えは三間とも蟇股


亀腹は大きく安定している

下重、軒と屋根の反りがなんとも美しい

多宝塔は源頼朝、実朝の菩提を弔うため北条政子により建立された

塔が完成した貞応二年は堂二宇、塔二基、護摩堂二宇、経堂一宇、鐘楼一宇、鎮守一宇があったという


下重の透かし蟇股

下重の組物は平三斗とする

金剛三昧院の開眼法要は栄西禅師が導師を勤めた

塔の内部は四天柱を立て、須弥壇に五智如来を安置する。極彩色の仏画が描かれている

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金剛三昧院境内

経蔵、客殿(写真:右)、四所明神社本殿(写真:正面)は重要文化財

*この塔が撮りたくて朝早く起きて高野山を訪れた。紅葉でにぎわう高野山の中にあって、訪れる人も少なく、とってもいい時間が持てた。ほんとに静かな、美しい寺院だ。

(平成17年11月5日撮影)