真砂(まなご)阿弥陀三尊種子板碑(伝清姫墓)(和歌山県田辺市中辺路町真砂)
関西地方に珍しい頭部山形の立派な板碑で、「清姫の墓」として祀られている。室町時代初期 明徳五年(1394)在銘の板碑。
真砂阿弥陀三尊種子板碑 (市指定文化財、室町時代初期 明徳五年 1394年、砂岩、高さ 142Cm)
安珍・清姫物語の「清姫墓」として、地区の名所になっている。頭部山形、身部は蓮華座なしに阿弥陀三尊の種子、その下に銘文を刻む |
板碑 頂部
頭部山形、山形の前面を薄く削り込む。下に二段の切込、額部は薄く突出する。身部の輪郭はない。
身部上方、蓮華座なしに阿弥陀三尊を種子で刻む | 身部の刻銘:「明徳五年(1394)卯月」 |
身部は、上に大きく阿弥陀如来の種子「キリーク」、向かって右下に観音菩薩の種子「サ」、左下に勢至菩薩の種子「サク」を薬研彫する。
身部下方の刻銘
左右に「匡勝禅尼、石塔造立之」、中央に「相當、孝子、敬白、一因忌、光浜奉」、両端に「明徳五年(1394)卯月廿九日」
頭部を山形に成形した板碑で、関西では珍しい。ここ「真砂の里」は、安珍・清姫物語の主人公 清姫の出生地として知られている。 |
板碑は「清姫の墓」として祀られている
清姫堂の仏壇中央に、清姫像が祀られている。
清 姫 堂
*紀勢本線 紀伊田辺駅前から明光バス 栗栖川行き、または竜神バス 発心門王子行きに乗車、「清姫バス停」下車、南方向へ 徒歩 約2分。
(撮影:平成24年3月28日)