根来寺(ねごろじ)(和歌山県岩出市根来2286)
根来寺は、新義真言宗の総本山。覚ばん上人が1130年(大治五年)に高野山に開いた伝法院に始まる。
覚ばん上人の教えと隆盛に反発した金剛峯寺宗徒との抗争を避けて、正応元年(1228)大伝法院と蜜蔵院が高野山を離れて根来に移り大伽藍が整備され根来寺が成立した。
板碑は、周辺に散在していたものを、大塔(多宝塔)の入口手前の広場に集め、祀っている。
根来寺(ねごろじ)阿弥陀種子板碑(鎌倉時代末期 元弘三年 1333年、砂岩、高さ 87Cm) |
板碑 頂部
頂部山形、下に二段の切込を入れ、額部は低く突出する。山形は、左右と前面に反りをつける
身部は上部に大きく阿弥陀如来の種子「キリーク」、その下に三行にわたり銘文を刻む。板碑群中の代表的作品。 |
銘文:「迎慈父十三年忌 尼妙心」「元弘三秊(1333)十二月廿六日」「為増進佛道造立之敬白」
下の地蔵種子板碑が一周忌に当たる元亨二年(1322)に、その11年後の同月同日に本板碑が十三年忌として造立されており、関係があるのかもしれない
根来寺(ねごろじ)地蔵種子板碑(鎌倉時代後期 元亨二年 1322年、砂岩、高さ 80Cm) |
身部は上部に大きく地蔵菩薩の種子「カ」、その下に三行にわたり銘文を刻む。板碑群中で、最も古い板碑。
板碑 頂部
頂部山形、下に二段の切込を入れ、額部は低く突出する。山形は、左右と前面に反りをつける
板碑の下部に刻まれた銘文 | 刻銘(部分):「元亨二年(1322)」 |
銘文:「當尊霊一周忌金剛佛子」「元亨二年(1322)十二月廿六日」「為出垢熾烈浄殺頼基敬白」
根来寺(ねごろじ)板碑群
周辺に散在していたものを、大塔(多宝塔)の入口手前の広場に集め、祀っている。
根来寺大塔(国宝、室町時代後期 天文16年 1547年建立、本瓦葺、高さ 35.1m)
根来寺大塔は真言密教の教義を形で示したもので、高野山大塔に倣って造られたとされる
*JR阪和線 紀伊駅前から和歌山バス「近畿大学行き」乗車、「根来バス停」下車 北方向へ 徒歩約20分。又は、JR和泉砂川駅・南海 樽井駅前から南海バス「近畿大学行き」乗車、「根来寺バス停」下車 すぐ。
(撮影:平成23年2月19日)