滝尻王子社(たきじりおうじしゃ)(和歌山県田辺市中辺路町栗栖川859)
熊野三山参詣道の入口にあたる「滝尻王子社」に立つ宝篋印塔で、室町時代初期 応永六年(1399)の銘がある。
滝尻王子社 宝篋印塔 (市指定文化財、室町時代初期 応永六年 1399年、砂岩、高さ 124Cm)
塔身、金剛界四仏の種子を月輪内に刻む(正面、アク:不空成就如来) | ||
宝篋印塔は、滝尻王子社境内に笠塔婆と共に立っている | 塔身、金剛界四仏の種子を月輪内に刻む(西面、ウーン:阿閦如来) |
笠
笠の段型は、下二段、上六段、隅飾は二弧輪郭付で内は無地
塔身、金剛界四仏の種子を月輪内に刻む(背面、タラーク:宝生如来) | ||
塔身、金剛界四仏の種子を月輪内に刻む(東面、キリーク:阿弥陀如来) | 宝篋印塔は、反花座上に立っている |
基礎 正面
基礎上端は二段、側面は無地で、東面に出典未詳の偈(二行)と五行にわたる造立趣旨・紀年銘が刻まれている。
刻銘:「随縁赴感 弗舎方便、檀徒衆生 勿令断報、右起立此塔康光、彼橋梁之供養也、
伏乞願 衆知、応永巳(1399)佛生日(四月八日)、化主比丘西蓮誌之」 [化主(けしゅ):高徳の僧]
偈(げ):「随縁赴感(ずいえんふかん)弗舎方便(ふっしゃほうべん)」「檀徒衆生(だんとしゅじょう)勿令断報(もつりょうだんほう)」
[ 縁に随(したが)い感に赴(おもむ)きて、方便を捨てず。檀徒衆生に、果報を断ぜしむることなかれ ]
相輪は、下から請花、九輪で、下の伏鉢、上の請花・宝珠を欠く | 刻銘:「応永巳(1399)佛生日」 |
反花座(かえりばなざ)
滝尻王子社にある熊野古道案内図
滝尻王子から湯川王子までの各王子間の距離と徒歩所要時間が記されている。
世界遺産、紀伊山地の霊場と参詣道、熊野参詣道中辺路
滝尻王子の入口にあった。
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*紀勢本線 紀伊田辺駅前から明光バス 栗栖川行き、または竜神バス 発心門王子行きに乗車、「滝尻バス停」下車、東方向へ 徒歩 約2分。
(撮影:平成24年3月28日)