滝尻王子社(たきじりおうじしゃ)(和歌山県田辺市中辺路町栗栖川859)
熊野三山参詣道の入口にあたる「滝尻王子社」に立つ笠塔婆で、鎌倉時代中期 寛元三年(1245)の銘がある。
滝尻王子社(たきじりおうじしゃ)笠塔婆(鎌倉時代中期 寛元三年 1245年、花崗岩、高さ 93Cm)
笠、古い様式をしめすが別物 | ||
塔身の枘(ほぞ)が、別物の笠と合わず、浮いている | ||
笠塔婆は、滝尻王子社境内に宝篋印塔と共に立っている |
滝尻王子社は、岩田川(富田川)と石船(いしぶり)川が合流する地点にあり、ここから険しい山道の登り口になる。
塔身上方 (正面)
月輪内に阿弥陀如来の種子「キリーク」を刻む。
塔身正面、阿弥陀種子の下に三行の刻銘がある。刻銘:「南無阿弥陀仏、施主平口綱、寛元三年(1245)乙巳八月」 |
基 礎
基礎は、砂岩で別物
阿弥陀如来の種子「キリーク」は平底彫りで、書体と共に古風を示している。尚、刻銘は塔身(高さ 61Cm)の正面だけで、他の三面は無地。 |
笠塔婆と宝篋印塔
石鳥居をくぐり、拝殿に向かう石段手前、植込みの中に置かれている。
滝尻王子社(たきじりおうじしゃ)宝篋印塔 石仏と石塔-目次!
滝尻王子社(たきじりおうじしゃ)
ここから熊野の霊域とされ、熊野三山を目指す参詣者が禊をしたり、神楽など多くの芸能が奉納されている。
*紀勢本線 紀伊田辺駅前から明光バス 栗栖川行き、または竜神バス 発心門王子行きに乗車、「滝尻バス停」下車、東方向へ 徒歩 約2分。
(撮影:平成24年3月28日)