阿弥陀寺(あみだじ)地蔵石仏

 阿弥陀寺(あみだじ)地蔵石仏 (山口県防府市牟礼1869)

   阿弥陀寺門前の地蔵堂に安置されている延命地蔵形の石仏で、南北朝時代 永和二年(1376)の紀年銘がある。

阿弥陀寺 地蔵石仏 (市指定文化財、南北朝時代後期 永和二年 1376年、花崗岩、高さ 70Cm)

阿弥陀寺仁王門をくぐる手前、バス停の近くにある地蔵像に安置されている。右手錫杖、左手宝珠の地蔵石仏で、岩座に半跏趺坐する

地蔵石仏 頭部

お顔は、穏やかで優しい。頭光の上半を欠損するが、その背面に刻銘がある。

刻銘:永和二年(1376)十二月十七日、慈好、敬白」

地蔵石仏 体部

右手に錫杖を持ち、左手は膝の上にのべて宝珠を持つ。宝珠の部分は欠損する。

地蔵像、胸に瓔珞(ようらく)を作り出す。
地蔵は頭光から尊像・岩座まで一石で彫成する。右足は岩座上、水平に横たえ、左足は垂れて踏み下げる延命地蔵形、左足は損傷が激しい。

永和二年(1376)銘の地蔵石仏で、通称「三日月地蔵」と呼ばれ、夫人の腰から下と痔に霊験があるといわれている。尚、祈願にはコンニャクを供えると良いとされる。

複弁反花座

地蔵石仏は、複弁反花座上に安置されている。

阿弥陀寺 地蔵堂

五体の内、向って左から二番目の地蔵石仏が、三日月地蔵と呼ばれる地蔵石仏。

阿弥陀寺仁王門 (市指定文化財、江戸時代前期 貞享二年 1685年)

領主 毛利就信により江戸時代前期 貞享二年(1685)に、鎌倉時代前期 建久の頃(1190~99)の原型に再建された。

金剛力士像 阿形 (重要文化財、鎌倉時代、高さ 271.1Cm) 金剛力士像 吽形 (重要文化財、鎌倉時代、高さ 271.4Cm)

仁王門内、左右に立っている。鎌倉時代初期の特色があり、運慶・快慶一派の流れをくむ作品とされている。

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阿弥陀寺(あみだじ)本堂(華厳宗、真言宗御室派を兼宗)

東大寺再建の使命を果した俊乗房重源が、後白河法皇の現世安穏祈願の為、文治三年(1187)に開発、建久八年(1197)竣工した。

後白河法皇は建久3年3月13日(1192年4月26日)に崩御した為、法皇の冥福を祈る為の寺院でもあった。奈良東大寺の別院。

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*JR山陽線 防府駅前から防長バス 阿弥陀寺行きに乗車、終点「阿弥陀寺バス停」下車すぐ、左手地蔵堂内に安置されている。

(撮影:平成24年9月21日)