大樹寺(だいじゅじ)多宝塔(愛知県岡崎市鴨田町広元5-1)
大樹寺は、徳川(松平)家の菩提寺。徳川家の歴史を伝える寺院
大樹寺多宝塔(重要文化財、室町時代 天文四年 1535年建立、桧皮葺、高さ 約13m)
上重、四手先組物、軒は二軒繁垂木 |
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下重、二手先組物、軒は二軒繁垂木 |
大樹寺は、文明七年(1475)岩津城主 松平 親忠が菩提寺として建立し、家康の祖父に当たる松平清康が再興した
多宝塔は、高欄のない縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えは正面中央間のみ連子窓、その他間斗束
上重、四手先組物と軒(二軒繁垂木) |
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下重、二手先組物 |
多宝塔は、親柱の銘により天文四年(1535)の建立。松平七代清康(きよやす)により建てられた
塔の内部は、禅宗様須弥壇を置き、その上に春日厨子を据え、本尊の多宝如来を安置する
蟇股は、横に長い室町式で、中に鳳凰を刻む |
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多宝塔、四隅の風鐸 |
桶狭間の合戦(1560)のとき今川義元側の家康はこの寺に逃げ帰り先祖の墓の前で自害をしようとしたが、
大樹寺住職に「厭理穢土・欣求浄土」の教えを受け、それ以降家康は、熱心な念仏者になった
本 堂
徳川家康遺訓
人の一生は、重荷を負うて遠き道を行くが如し、急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし、心に望み起こらば困窮したるときを思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え、勝つことばかり知りて、負けることを知らざれば、害その身に至る。
己を責めて人を責めるな、及ばざるは過ぎたるより勝れり。
大樹寺三門(県指定文化財、寛永十八年 1641年、徳川家光の建立になる)
*愛知環状鉄道 大門駅下車、徒歩 約15分
(平成18年11月5日撮影)