万徳寺(まんとくじ)多宝塔(愛知県稲沢市長野3丁目2-57)

 住宅地に緑が生える花の寺。多くの文化財を所蔵する真言宗の寺院

万徳寺(まんとくじ)三重塔(重要文化財、室町時代後期、桧皮葺、高さ 約13m)


上重の二軒繁垂木と四手先組物

下重、組物は出組、軒は二軒繁垂木

 万徳寺は、寺伝では奈良時代の神護景雲二年(768)に慈眼上人が創建したと伝える。

塔は高欄のない縁をめぐらす。正面のみ蹴こみ縁、中央間は正背面のみ桟唐戸、他は板張り、脇間板張り、中備えはなし


上重、組物は四手先、軒は二軒繁垂木

軒(二軒繁垂木)の流れが美しい

残念なことに、相輪(写真:右)は腐食がひどく九輪の一部が壊れている

万徳寺多宝塔は、性海寺の多宝塔を参考に造られたという


下重、出組。頭貫には天竺様の木鼻がある

縁及び縁の下

万徳寺は、鎌倉時代の建長六年(1254)に後深草天皇の勅願により常円上人が中興した

塔の内部は来迎柱・来迎壁・須弥壇があり金剛界大日如来を安置する

鎮守堂(重要文化財、室町時代、一間社流造、桧皮葺)

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万 徳 寺 本 堂

*JR稲沢駅下車、徒歩約7分。性海寺より徒歩約50分。

(平成18年8月16日撮影)