密蔵院(みつぞういん)多宝塔(愛知県春日井市熊野町3133)

  鎌倉時代末期、慈妙上人(じみょうしょうにん)により開かれ尾張天台宗復興の中心となった寺院

密蔵院(みつぞういん)多宝塔(重要文化財、室町時代初期、こけら葺、高さ 16.5m)


上重、四手先組物、軒は二軒繁垂木

下重、禅宗様出組

密蔵院は、鎌倉時代末期の嘉暦三年〈1328年)慈妙上人により開基された天台宗の寺院

塔は逆蓮柱高欄を付した縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間板張り、中備えはなく、柱は円柱で粽(ちまき)が入る


屋根はこけら葺、宝鎖を留める宝鐸(ほうたく)

上重、逆蓮柱高欄、亀腹は板張り

室町・桃山・江戸と武門の信仰も篤く、江戸時代には尾張公の援助により繁栄した

塔は、軒や組物が黒く塗ってあり細部を細かく撮るのが難しい


持ち送りの彫刻が美しい

円柱には粽が入っている

塔の内部は内部は四天柱があり釈迦如来を安置する

多宝塔は軒廻りを除き禅宗様からなる

禅宗様四手先組物(尾垂木の先を細め緊張感のある空間を演出している)

斗束(ますづか)(高欄の架木〈ほこぎ〉を受ける斗のついた束)

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逆蓮柱(ぎゃくれんばしら)(工芸品の精緻さで彫られている)

(平成17年5月22日撮影)