龍泉寺(りゅうせんじ)多宝塔(名古屋市守山区竜泉寺1-902)

 尾張四観音の一つで、尾張三十三観音巡礼所の第二十五番札所。天台宗山門派の寺院

龍泉寺多宝塔(指定なし、明治28年 1895年、上重 銅瓦葺、下重 桟瓦葺、一辺 4.86m)


上重、四手先組物、軒は扇垂木

下重、出組、軒は二軒繁垂木

龍泉寺は、延暦年間(782〜806)、最澄により創建されたといわれている

多宝塔は、擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間桟唐戸、脇間連子窓、中備えは三間とも蟇股


上重、扇垂木

下重、出組。柱に粽(ちまき)がつく

天正十二年(1584)、小牧長久手の役のおり、豊臣秀吉が龍泉寺に陣をしいたため、兵火により焼失。慶長三年(1598)、秀純法印が再建した。

多宝塔内部に安置されている阿弥陀如来坐像

内部は、四天柱、来迎壁があり、須弥壇に厨子を置き、阿弥陀如来を安置する


下重、彩色された花鳥の彫刻を施した蟇股

下重、四隅の風鐸(軒がアクセントをつける)

上重の高欄には、四本の擬宝珠がつく。亀腹は、板張りで黒く塗られている

龍泉寺本堂(明治44年再建、本尊 馬頭観音)

本堂は明治39年、放火により消失。焼跡から慶長小判100枚が出土、それを基金として再建された

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仁王門(重要文化財、桃山時代 慶長十二年 1607年、こけら葺、入母屋造り)

*JR・名鉄・地下鉄 大曽根駅下車、ゆとりーとライン(ガイドウェイバス)乗車約13分 龍泉寺口下車 徒歩3分。龍泉寺は円空仏が多数ある。今も庶民の信仰が厚い寺院。

(平成18年11月5日撮影)