三明寺(さんみょうじ)三重塔(愛知県豊川市豊川町波通37)
豊川弁天の名前で親しまれている曹洞宗の寺院
三明寺(さんみょうじ)三重塔(重要文化財、室町時代 享禄四年 1531年、こけら葺、高さ 14.5m)
三層部、三手先組物、軒は扇垂木、高欄に禅宗様 逆連柱を付す |
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二層部、三手先組物、軒は二軒繁垂木、高欄は組高欄 |
三明寺は、寺伝によれば奈良時代の創立といわれている。平安時代の末に戦火にあい焼失したのを、後醍醐天皇の王子である無文元遷(むもんげんせん)が再興した。
三重塔は、昭和26年の解体修理で享禄4年(1531)の墨書が発見されこの時の建立と考えられている。
三重塔は、高欄のない縁をめぐらし、中央間桟唐戸、脇間連子窓、中備えは三間とも間斗束
三層部の手挟みと尾垂木 |
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初層部、三手先組物、軒は二軒繁垂木 |
初層は、江戸時代中期に大修理が施され、相輪は欠損していたものを昭和の大修理で整備された
三層は、円柱に粽(ちまき)を取り、組物は禅宗様三手先、軒は一・二層に比べ反りが強く禅宗様の特色が見られる。
一・二層を和様に、三層を禅宗様にし、和様と禅宗様を混用する形式の早期遺例
三手先組物と軒(二軒繁垂木) |
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初層、三手先組物 |
三層は、反りの強い軒で、禅宗様の扇垂木を用いる(写真:左)。一・二層は円柱に長押を打ち、組物は和様三手先を用いる(写真:右)
三明寺境内の石仏(今も信仰の寺である)
初層、三手先組物 |
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室町風木鼻 |
三重塔の内部は、来迎柱・来迎壁があり須弥壇を設ける
* JR豊川駅下車、徒歩5分
(平成18年11月4日撮影)