東観音寺(とうかんのんじ)多宝塔(愛知県豊橋市小松原町坪尻14)

  天平5年(733年)、行基が馬頭観音を刻み本尊とし、当寺院を開基したと伝えられている

東観音寺多宝塔(重要文化財、室町時代 大永八年 1528年、こけら葺、高さ 12.15m)



上重(禅宗様四手先組物・扇垂木)


下重(禅宗様出組・扇垂木)

塔は正徳六年(1716年)伊勢街道に臨む海岸近くより移築された

前に建っていた場所は、宝永四年(1707年)の津波により全滅し現在の所に移ったという

塔は逆蓮弁高欄を付した縁をめぐらし、中央間桟唐戸、脇間彫刻付き板張り、柱は円柱で粽(ちまき)が施されている。

中備えは中央間蟇股、脇間蓑束。縁は四方とも蹴込み縁


扇垂木が美しい(下重)

木鼻が面白い。円柱には粽(ちまき)が入っている(下重)

塔は戸田氏の家老である藤田左京亮が室町時代の大永八年(1528年)に寄進した

写真上より、扇垂木、四手先組物、高欄、腰組(平三斗)亀腹

この木組みの美しさはたまらない!


初重、中備えの蟇股(彫刻が施されている)

亀腹は木製

塔の内部は来迎柱があり、多宝如来像を収めた厨子を安置する

東観音寺の多宝塔は、私が見てきた多宝塔の中でも第一級の美しさを持った塔だ

逆蓮(ぎゃくれん)柱(禅宗様高欄)(太陽光にライティングされた逆蓮柱は厳かに美しい)

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東観音寺本堂

(平成17年2月11日撮影)