長谷院(ちょうこくいん)多宝塔(堀江観音)(愛知県清洲市桃栄3-80)

  「堀江観音」の名で信仰をあつめる尾張三十三ヶ所第二番の霊場。浄土宗を奉じる

長谷院多宝塔(江戸時代 天保五年 1834年、本瓦葺、一辺 3.06m)


上重、四手先組物、高欄は四方に擬宝珠を付す、亀腹は銅板張り

下重、組物の部分は大斗肘木、軒は一軒吹寄垂木

長谷院は、江戸時代 元文三年(1738)焼失、江戸末の天保三年(1832)に僧 誓阿が再建した

塔は川原石積みの基壇に建ち、擬宝珠高欄を付した縁をめぐらす。

正面・両側面は中央間桟唐戸、脇間連子窓、背面は三面とも板張り、中備えはなし


上重、軒の一軒扇垂木が珍しい

下重、瓦に葵の紋が入っている

相輪は型の通り、本瓦葺の屋根は徳川家の葵の紋が入っている

塔の内部は四天柱と来迎壁があり愛染明王坐像を安置する


上重、四手先組物

上重、四隅の風鐸

多宝塔は尾張藩主 徳川斉朝が寄進し、天保五年(1834)に完成した

長谷院の本尊は奈良長谷寺の十一面観音と同木という巨大な観音像

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長谷院、仁王門より奥に見えるのが本堂。右側に多宝塔がある

*名鉄 名古屋本線須ヶ口(すかぐち)駅下車徒歩7分。結構、お参りの方が多かった。

(平成18年8月16日撮影)