興願寺(こうがんじ)三重塔(愛媛県伊予三島市宮川3)
伊予三島市の市街地に三重塔が映える。塔は徳島県の大龍寺より移築した
興願寺三重塔(県指定文化財、江戸時代 貞享元年 1684年、本瓦葺、高さ 約20m)
三重部(三手先組物、二軒繁垂木) |
|
二重部(中備えは三間とも間斗束) |
興願寺は江戸時代の承応元年(1652)に高野山の快順上人により開基された
塔は擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間桟唐戸(正面のみ他は板唐戸)、脇間連子窓、中備えは三間とも蟇股
初層の軒は扇垂木 |
|
初層、扇垂木と三手先組物(扇垂木が美しい) |
この塔は、二十一番札所の大龍寺にあった。荒廃がひどく、興願寺の住職が譲り受け昭和二十八年から昭和三十四年に移築された
塔は初層の軒を唐様の扇垂木とし、二層と三層は和様の二軒繁垂木として変化をもたせている
初層蟇股、虎の彫刻(他、龍、鶴、花などの彫刻) |
|
軒下の隅木には地天の像を配している |
塔の内部は、四天柱があり金剛界如来像を安置する
初層、軒支輪の部分に美しい天女の彫刻が施されている
三重塔、四隅の鬼瓦 |
|
興願寺本堂 |
三重塔の相輪部、宝珠と龍車(層塔では珍しく、宝珠に火焔がついている)(右・写真)
三重塔は、「みしまようちえん」の園内にあった
(撮影:平成17年1月29日)