日吉神社(ひよしじんじゃ)三重塔(岐阜県安八郡神戸町大字神戸1)

  神社に建つ、室町後期の三重塔

日吉神社(ひよしじんじゃ) 三重塔(重要文化財、室町時代後期、桧皮葺、高さ24.7m)


三層部には縁と高欄がなく、中備えは中央間のみ間斗束

二層部は高欄を付した縁を設ける。中備えは中央間のみ間斗束

弘仁八年(817) 伝教大師最澄は東国に天台宗を広めるため神戸(ごうど)に立ち寄り、この地を治めていた安八大夫安次の願いにより

近江(滋賀県)坂本の山王社をおうけして、日吉神社が建てられた。日吉神社が建つ地域は、比叡山領の平野庄の中心

三重塔は高欄のない縁をめぐらせ、中央間桟唐戸、脇間板張り、中備えは中央間は斗のみで脇間は間斗束


初層の手挟み

初層、軒は二軒繁垂木、組物は三手先(二・三層も同じ)

 すらりと伸びた鉄製の相輪は、型の通りで、すっきりと美しい

三重塔は、永正年間(1504〜1520)に斉藤利綱が再建し、天正十三年(1585)稲葉一鉄が脩造した

初層、桧皮葺の屋根が美しい。組物は三手先、軒は二軒繁垂木


木鼻は室町後期の様式

尾垂木の古色が歴史を感じさせてくれる

 三重塔は、市街地にあり、よく遺されている

 日吉神社が出来た頃は、神と仏は一体であると説かれていた(神仏混淆垂迹)。今も、仏教関係のものが多く神社に残っている

 岐阜県の塔 真禅院三重塔                            日本の塔−目次

日吉神社正面鳥居

*近鉄養老線 広神戸(ひろごうど)下車、徒歩10分。いつも静かなたたずまいを見せてくれる。

(平成18年10月7日撮影)