日竜峯寺(にちりゅうぶじ)多宝塔(岐阜県関市下之保4560)

  高沢観音の名で知られる真言宗の古刹

日竜峯寺多宝塔(重要文化財、鎌倉時代中〜後期、桧皮葺、高さ 14.1m)


上重、四手先組物

初重、出組、軒は二軒繁垂木、木鼻は天竺様風

日竜峯寺は、寺伝によると仁徳天皇の時代、両面宿難(飛騨の豪族)が竜神を退治し、ここに祠を建てたことに始まるという

塔は高欄のない縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えは三間とも蟇股、正面木階は蹴込み式


上重、宝鎖を留める宝珠

下重、軒の流れが美しい

平成10年に屋根の葺き替え、相輪の塗りなおしが行われた

寺伝によると多宝塔は北条政子の祈願により建立されたという


下重、中備えはシンプルな蟇股

下重、出組、尾垂木の形が面白い

多宝塔の内部は、来迎柱二本と来迎壁があり須弥壇を設け、胎蔵界大日如来を安置する

下重、高欄のない切目縁(新しい木の断面に、飽きの来ない美しさを感じる)

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日竜峯寺本堂(県指定文化財・寛文11年)

本堂は、京都・清水寺に見られる懸造り(かけづくり)という、山やがけに持たせかける形態をもつ

*長い間、行きたくて憧れにも似た感情を持っていた多宝塔です。高速バス、路線バスを乗り継いで案外簡単に行けるルートを見つけたときは、正直うれしかった。

(平成17年5月21日撮影)