明通寺(みょうつうじ)三重塔(福井県小浜市門前5-21)
征夷大将軍であった坂上田村麻呂が若狭国の国司の任に着いたとき、実娘(桓武天皇の女御)の皇子誕生と、蝦夷の冥福を祈る為、寺院を発願したという
妙通寺三重塔(国宝、鎌倉時代中期 文永七年 1270年、桧皮葺、高さ 22.12m)
三重部 (組高欄をめぐらす。組物は三手先組物、中備えはなし) | |
二重部 (組高欄、軒は二軒繁垂木、中備えはなし) |
明通寺は、平安時代の大同元年(806)に坂上田村麻呂が開いたという。平安時代より国衙(こくが)の祈祷所となり鎌倉時代中期に本堂、三重塔が整備された
塔は擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えは中央間のみ間斗束、脇間はなし
軒は二軒繁垂木、組物は三手先組物。各層の四隅に風鐸がつく。
三重塔は本堂とともに北陸地方唯一の国宝建造物
三重塔は垂木の枝割(しわり)が完備しており、六枝掛(ろくしがけ)になっている。塔は、六枝掛の最も早い例になる
三重塔は初層の組物に拳鼻(こぶしばな)がつく早い例である
内部は四天柱があり、須弥壇の上、前方に釈迦三尊像、後方に阿弥陀三尊像を安置する
明通寺山門(市指定文化財、江戸時代前期再建、入母屋造、桟瓦葺)
明通寺本堂(国宝、鎌倉時代中期 1258年再建、単層入母屋造、桧皮葺)
*JR東小浜駅 下車、レンタサイクル利用が便利。
(撮影:平成15年5月3日、平成21年11月23日)