酒見寺(さがみでら)多宝塔(加西市北条町北条1319)

  播磨三宮酒見社(現、住吉神社)の神宮寺として創建された。天平十七年(745年)行基の開基という

酒見寺多宝塔(重要文化財、江戸時代 寛文2年 1662年、上重が桧皮葺 下重が本瓦葺、高さ15.4m)

多宝塔は、昭和51年〜53年にかけて解体修理が行われた


上重、極彩色の四手先組物、扇垂木

下重、カラフルに彩色された出組、丸桁には雲が描かれている

多宝塔の屋根は上重は桧皮葺、下重は本瓦葺という非常に珍しい形。

下重、擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間桟唐戸・脇間連子窓、中備えはない


上重、四手先組物(三手先目に尾垂木がかかる)

下重、組物は出組、軒は二軒繁垂木、丸桁(がぎょう)は雲の彩色

酒見寺は泉生山と号する真言宗の寺院で行基菩薩の開山と伝えられる

塔の内部は四天柱、来迎壁があり須弥壇を設ける。まわりの板絵は真言八祖を描いている


上重、桧皮葺屋根と四手先組物

上重、扇垂木と極彩色の四手先組物

下重、二軒繁垂木と極彩色の組物(写真・左)

    下重、カラフルな組物(出組)、内法長押(うちのりなげし)は波模様、台輪(だいわ)は牡丹唐草

仁王門 (江戸時代、文政8年 1825年 再建)


上層、柱間腰の弓連子は唐様を取り入れた珍しい例

カラフルに彩色された上層の三手先組物

酒見寺鐘楼(兵庫県指定文化財、江戸時代 寛文4年 1664年、本瓦葺、入母屋造、高さ 約8.4m)

鐘楼は、袴腰付鐘楼で和様を基調とし、部分的に唐様を混合した様式を持つ

平成17年の解体修理が完了した鐘楼(鐘楼は、平成17年12月17日撮影)

 兵庫県の塔  奥山寺多宝塔                                日本の塔-目次

酒見寺本堂

天正年間(約400年前)に兵火にあって焼失し、その後再建されたのが現在の伽藍になる

(平成17年8月6日撮影写真を追加)