那谷寺(なたでら)三重塔(石川県小松市那谷町ユ-122)
小塔ながら美しい完全な禅宗様の塔。真言宗の寺院
那谷寺三重塔(重要文化財、江戸時代 寛永19年 1642年、桧皮葺、高さ 11.6m)
三層部、逆蓮柱付き高欄、扇垂木、三手先組物 |
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二層部、三層部と同じ禅宗様 |
那谷寺は白山信仰の寺、白山の開山と同じ養老元年(717年)に泰澄(たいちょう)により開創された
塔は花崗岩台上に建ち縁を設けず、中央間は広くとってあり彫刻付きの桟唐戸、脇間彫刻付きの板張り、組物は禅宗様二手先
三層部、扇垂木、三手先組物 |
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初層、禅宗様二手先 |
平安中期、花山(かざん)法皇は、この地の岩窟で三十三身の観音を見る。法皇はここに西国観音霊場三十三所のすべてに匹敵する御利益が
あるといい、その第一番・那智山と第三十三番・谷汲山から一文字ずつ取って、那谷寺と命名した
三重塔本尊 胎蔵界大日如来像
塔の内部は四天柱があり、元那谷寺根本堂本堂の本尊 大日如来像を安置する
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現在の塔は加賀藩主 前田利常が、後の四代将軍 家綱の誕生を祝して、寛永19年(1642年)に建立した
初重、柱には禅宗様の粽(ちまき)が入っている
奇岩遊仙境(古くより観音の住む浄土されてきた) |
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岩屋本堂大悲閣(重要文化財・本尊 千手観音菩薩) |
三重塔、初重四面には唐獅子の二十の行態や牡丹の彫刻が施されている(写真:左上)
*那谷寺は加賀温泉郷(片山津温泉、山代温泉、山中温泉、あわづ温泉)が近くにあり、参拝者が後を絶たない。観光客気分の人が多く、三重塔などに落書きが多く見られた。残念!
(平成17年5月3日撮影)