三谷寺(みたにじ)多宝塔(香川県丸亀市飯山町東坂本3183)

  聖武天皇の勅願により行基が開創した古刹。讃岐三十三観音の第二十六番札所として知られる真言宗の寺院

三谷寺多宝塔(指定なし、江戸時代 天明七年 1787年、上重 銅板瓦葺、下重 本瓦葺、一辺4.96m)


上重、四手先組物、軒は扇垂木

下重、出組、軒は二軒繁垂木

三谷寺は、聖武天皇の勅願により、 行基が天平二年(730)に開基した。本尊十一面観音は、行基の作で、頭部には光明皇后の守本尊十一面観音が納められている

多宝塔は、高欄のない縁をめぐらし、中央間桟唐戸、脇間蔀(しとみ)戸、側面中央間桟唐戸、脇間連子窓、

背面は三間とも板張り、中備えは中央間蟇股、脇間蓑束、柱は角柱を用いる


上重、屋根は銅板瓦葺。正面に塔の字が見える

下重、組物は出組

相輪は、型の通りで、露盤には法輪がついている

その後、弘法大師 空海が当地を訪れ、四十九坊を建立、奥の院に薬師如来の石像を安置し、院号を弥勒院と名づけた


下重正面の蟇股(麒麟と牡丹)、他の三面中央間の蟇股は梵字を入れる

下重、四隅の風鐸

多宝塔の内部は、二本の来迎柱があり、須弥壇を設け、五智如来坐像を安置する

三谷寺本堂

       

三谷寺近くの田園。棚田の向こうに讃岐富士(飯野山 421.9m)が見える

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地蔵堂(江戸時代後期 嘉永二年 1849年)は、彫刻のオンパレード

三谷寺 仁王門(江戸時代 寛永四年 1627年建立)

仁王門の前には「不許葷酒肉入山門」の石柱が建ち、厳しく入山を律している

*JR坂出駅よりタクシーで約10分、JR讃岐府中駅より徒歩65分。行きはタクシーで帰りは、讃岐府中駅まで歩いた。思っていたより大きな寺院だった。四国八十八ヶ所から外れているためか、撮影中にお参りの人に出会わなかった。

(平成18年10月15日撮影)