善峯寺(よしみねでら)多宝塔(西京区大原野小塩町1372)

  代々の法親王が入山し西山御坊と尊称された、天台宗の寺院。西国三十三ヶ所の第二十番札所

善峯寺多宝塔(重要文化財、江戸時代初期 元和7年 1621年再建、桧皮葺、高さ 約12m)


上重、四手先組物、軒は二軒繁垂木

下重、組物は出組、軒は二軒繁垂木、柱は円柱

善峰寺は、平安時代中期 長元2年(1029)、源算上人(源信の高弟)により開かれた

塔は石積基壇上に、組高欄を付した縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えは中央間のみ蟇股、脇間蓑束


下重の風鐸

下重、組物(出組)

後一条天皇より鎮護国家の勅願所と定められ、善峯寺の寺号を受け賜った

鎌倉時代には慈円僧正や証空上人が住職を勤めた。西蓮院の宮様が代々住職を務めたため西山御所と称された


上重、軒を支える邪鬼

下重、中備えの蟇股

室町時代には、後花園天皇が伽藍を改築、僧坊52を数えたが、応仁の乱により焦土と化した

 

塔の内部は、来迎柱が2本あり来迎壁を設け、愛染明王(写真:左)を安置する。須弥壇には逆蓮柱(ぎゃくれんばしら)をもつ

 

江戸時代には、五代将軍綱吉の生母・桂昌院により復旧された

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山門(江戸時代初期 元禄5年 1692年桂昌院により再建された)

*阪急電車京都線、東向日駅下車、阪急バスにて約25分、善峯寺下車。バスは1時間に1本。冬季1月6日〜2月末日までは全便小塩止め。平成18年1月3日、正月のせいか人出が思ったより多かった。山の中腹にあり広大な寺領をもつ。

(平成18年1月3日撮影、雪景色分を除く)