若一王子神社(にゃくいちおうじじんじゃ)三重塔(長野県大町市大字大町2097)
熊野那智大社より若一王子を勧請し、若一王子の宮と称される。三重塔の蟇股は他に例を見ない
若一王子神社三重塔(県指定文化財、江戸時代 宝永八年 1711年、こけら葺、高さ 20.21m)
三層部、二層部と同じ、軒は二軒繁垂木 |
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二層部、中備えは三間とも間斗束、組物は三手先 |
垂仁天皇の御代に仁品王が此の地に社を建て伊装冊尊を奉祀された。
後に仁品王、妹即姫の夫婦を合祀し嘉祥二年(849)に創建されたと伝えられる
三重塔は高欄のない縁をめぐらし、中央間桟唐戸、脇間連子窓、中備えは三間とも束帯を着けた十二支の人身動物彫刻の蟇股
二層部、三手先組物 |
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初層部、軒は二軒繁垂木、組物は三手先 |
創建後、当地を治めた仁科氏により、熊野那智大社より若一王子を勧請してより若一の宮と称されてきた
三重塔は木食古信法阿(もくじきこしんほうあ)の発願により宝永三年(1706)から工事に入り宝永八年(1711)に竣工した
初層、四隅の風鐸 |
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初層中備えの束帯を着けた十二支の蟇股 |
三重塔の棟札4枚(宝暦五年、文化五年、文政十二年、安政六年)も県指定文化財に付属指定されている
初層中備え、方位に合わせた虎の蟇股
塔の内部は、四天柱・須弥壇があり金剛界五仏を安置する
若一王子神社全景(神社の社叢は長野県の天然記念物に指定されている)。本殿は重文
*信濃大町駅より徒歩 約25分、タクシーなら約7分。信濃大町は、北アルプスの登山口で、登山客で賑わう。
(平成18年8月14日撮影)