法隆寺(ほうりゅうじ)五重塔(2)

法隆寺五重塔遠景(五重塔の左側が金堂)

法隆寺五重塔(最下層は奈良時代に入ってから追補された裳階)

裳階(もこし)の上には邪鬼が置かれており、初層の四隅を支えている


五重塔の最下層の内陣には、奈良時代のはじめに造られた塑像群
 があり、東面には維摩居士(ゆいまこじ)と文殊菩薩が問答、北面には
 釈尊の涅槃、西面には釈尊遺骨(舎利)の分割、南面には弥勒菩薩の
 説法などの場面が表現されている。特に、北面の釈尊涅槃の場面は、
 嘆き悲しむ人びとの気持ちが、全身の表情に見事に表現されている。
五重塔は、初層の幅の半分が五重の幅で、その間の重は、その
  比例にあわせて決められた。               

五重塔は、五層の塔身の幅が、初層の塔身の幅のちょうど半分になり、その間の層はその比例に合わせて決められた

五重塔初層内陣、北面の塑像(釈迦涅槃の場面)


 裳階(もこし)の上で初層を支えている邪鬼は江戸時代に造られたもの
 裳階は方柱に肘木をさして三つ斗を組み出桁を廻して屋根は大和葺
 (やまとぶき)としている
 金堂には、金銅釈迦三尊像(国宝・飛鳥時代)をはじめとして、たくさ
 んの国宝像が、安置されている。(最下:金堂写真)

五重塔初層内陣、西面の塑像(分舎利の情景)

ブッダは荼毘にふされた後、八国王がブッダの身骨の分配を求めた事跡を塑像で表現している


空から雷獣が降りて塔が焼失しないよう鎌が取付けられた

五層の屋根と相輪部(下から露盤、覆鉢、請花、九輪)

 相輪は江戸時代に改鋳されたもので鎌のアクセントがあったり興味深い

法隆寺金堂(国宝・飛鳥時代・桁行五間、梁間四間、重層、入母屋造・本瓦葺・柱は太くエンタシスをもつ)

  奈良の塔 法隆寺五重塔(3)                         日本の塔-目次


金堂の裳階(もこし)の上には狛犬(?)が初層を支える

金堂初層、軒は桁から軒先まで極めて長い反りのない太い角垂木を用いる

金堂二層、軒隅の支柱には竜を巻いている(古くから支柱は挿入されたが現状は元禄修理時の付加) 

建物の平面が正方形に近いのは独立して四方から眺められる飛鳥時代の金堂の特色

(平成17年9月18日撮影)